未成年者でも贈与税の申告が必要?

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子供

 日本では相手方に経済的、金銭的供与をした場合には「贈与税」を納める必要があります。この贈与税は受贈者(もらった人)が納める必要がありますが、場合によっては受贈者が「未成年者」であるケースも見られます。

社会保険と同じく考えて、未成年者なら贈与税の申告は必要ないと勘違いする人もいるかもしれませんが、未成年者であっても大人と全く同じく、非課税枠(110万円)を超えた場合には贈与税の申告・納付が必要になります。しかし、まだお金や税金に関してよくわからない子供だったらどうするのでしょうか?

ここでは、受贈者が「未成年者」である場合の贈与税申告について見ていきます。また、未成年者への贈与における注意点や、贈与とならない事例も解説します。

1.贈与税申告とは?

相手方から経済的、金銭的供与などの贈与を受けた人(受贈者)は贈与税を申告・納付しなければなりません。贈与税申告の期間は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日で、受贈者の居住地を管轄する税務署に申告書を提出する必要があります。なお、成人と未成年者の申告の違いは次の通りです。

成人の贈与税申告

申告者・納税者が成人の場合は、一般的に「本人」が贈与税申告を行います(成年被後見人等を除く)。

なお、申告が必要な人は、「1年間に贈与された金額が、基礎控除額110万円を超えている」人です。したがって、控除額を超えて贈与を受けた成人は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までに、贈与税申告をする必要があります。

未成年者の贈与税申告

申告者・納税者が未成年者の場合でも、贈与税の申告をする義務があります。ただし、未成年の場合は「親権者」が代理人となって贈与税の申告をします

親権者が贈与税申告をする理由は、親権者が子の財産を管理する権利義務を持つからです。親権者とは、通常は父親・母親になりますが、両親がいない子供など、別の人が親権者となるケースもありますので、ここでは「親権者」としています。

そして、贈与税申告が必要になる未成年者は、「1年間に贈与された金額が、基礎控除額(110万円)を超えている」子です。

2.未成年者の贈与税申告の手続き

未成年者の贈与税申告は、代理人である「親権者」が手続きをします。ただし、納税義務を負っているのはあくまで未成年者なので、この点に注意して贈与税申告をしていく必要があります。

申告書の作成は親権者が行う

贈与税の申告書の作成は、親権者が行います。贈与税の計算方法は、下記を参照ください。

 

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贈与税の算出をして、申告書を作成したら、親権者が署名を行います。そのほか、必要な添付書類があれば、あらかじめ準備しておきましょう。

贈与税の申請は親権者が行う

贈与税の申告書を作成し、税務署に提出する際には法定代理人である親権者が申請できます。居住地の税務署にて、申告期限内に申告・納付するように気をつけましょう。

贈与税の納付金は未成年者が出す

贈与税の申告者と納税者が同一人物であれば、申告者の財産から納付金を出すことになります。

しかし、未成年者の場合は違います。親権者が代理人となり申告書を作成しますが、贈与税は未成年者の財産から支払います。したがって、贈与税の納付金は未成年者の名義である銀行口座などから出す点に注意しましょう。

3.未成年者への贈与に関する注意点

未成年者へ贈与をする場合には、次の点に注意をしておく必要があります。税務指摘を受けないためにも、注意点を守るようにしましょう。

贈与契約書を作成する

贈与契約書とは贈与の事実を証明する契約書類のことを言います。贈与契約書には「贈与時期」「贈与者名・受贈者名」「贈与対象」「贈与条件」「贈与方法」などが記載されています。

贈与自体は契約者がなくても、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の両者が合意していれば成り立ちますが、口頭では証拠が残りません。特に相手が未成年であれば、本当にもらう意思があったかどうかも疑われかねません。

贈与契約書を作成しておくと、税務署に対して贈与の事実を確実に証明することが可能です。その結果、税務署に贈与を否認されることもなくなります。

振込によって贈与する

贈与と認められるには贈与の事実を客観的に証明することも必要です。仮に贈与を客観的に証明できない場合には、税務署に贈与を否認される可能性もあります。

そこで「振込」によって贈与をしておきます。金融機関を通じて、未成年者名義の口座に振込をしておくことで、資金の移動を客観的に証明することが可能になります。

未成年者本人と親権者の合意が必要

以上、細かい注意点について述べましたが、その前に、そもそも贈与自体が成立している必要があります。

贈与とは、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の両者による契約であり、必ず受贈者(もらう人)の「もらいます」という意思表示が必要です。一方的に相手の口座に振り込んだだけでは贈与になりません。

ということは、お金をもらうという意思表示ができない小さい子供に対しては贈与が成り立たないことになります。相続税対策として、孫への生前贈与が注目されていますが、さすがに、0歳、1歳への赤ん坊に贈与することには無理がありますので、注意しましょう。

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また、贈与は法律行為ですので、未成年者が贈与を受けるには基本的には親権者の同意が必要となります。民法5条第1項では、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」と定められているからです。

ただし、単に権利を得たり義務を免れる法律行為(未成年者が一方的に得をする行為)については、親権者の同意がなくても、未成年者単独でできます。たとえば、全く負担なく単にお年玉をもらうのであれば親権者の同意は必要ありません。

しかし、贈与税の申告が必要なほどの金額となると、そのお金の管理や納税も必要になってきますので、基本的には親権者が同意したうえで行うのが望ましいでしょう。

4.贈与税がかからないパターン

金銭的供与をしたら贈与になるのかというと、必ずしもそうならないパターンがあります。それは、日常生活や教育に必要なお金の提供に関してです。

子供への学費、塾代、おこずかいに贈与税がかかったという話は聞いたことがないでしょう。「金銭的供与」とは、その人の生活や教育に必要以上の金額をあげた場合のことであり、通常の生活の範囲内であれば贈与とはみなされないのです。

生前贈与というと、どうしても贈与契約をして子供や孫の口座に振り込むとイメージがありますが、子供や孫の学費や生活費を支援してあげるという方法もあります。私立の小中高校であれば、年間50万円くらいの学費はざらでかかりますし、私立大学に進学すれば、入学金だけで数十万円、学費は年間100万円を超えることも珍しくありません。これを全額負担してあげても贈与税は発生しません。

まとめ

未成年者の贈与税申告については、親権者が法定代理人となって申告・納付手続きをします。その際、申告書の作成・納付等は親権者が行いますが、納付金は受贈者である子供の財産から納めるのが注意点です。

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