未成年者でも贈与税の申告が必要?

★ お気に入りに追加
子供

相続税対策として、孫への生前贈与が注目されています。

その場合、贈与を受けた孫が未成年者であっても、贈与された財産が基礎控除である110万円を超えれば、贈与税の申告・納付が必要になります。

しかし、まだお金や税金に関してよくわからない年端もいかない未成年者が贈与を受けた場合は、どうすればいいのでしょうか?

そこで、ここでは、受贈者(贈与された側)が「未成年者」である場合の贈与税申告について解説します。また、未成年者に対する贈与についての注意点も併せてご紹介します。

1.未成年者の贈与税申告

税金の申告は、原則として、納税義務を負った者または税理士が行わなければなりません。

したがって、申告書を理解し書けるのであれば、未成年者であっても、贈与税を申告・納付することができます。

しかし、贈与を受けた未成年者には、申告書の作成はもとより、贈与が何を意味するかわからない乳幼児もいるかもしれません。

そこで、非課税枠を超えた贈与を受け、未成年者に贈与税の申告義務が発生する場合は、「親権者」が代理人となって贈与税の申告をすることになります

親権者が贈与税申告を代理するのは、親権者が子の財産を管理する権利義務を持つからです。

通常は父親・母親が親権者となりますが、子に両親がいなければ、両親以外の者が親権者になることもあります。

2.未成年者の贈与税申告の手続き

納税義務を負っているのはあくまで受贈者である未成年者です。代理人である親権者が未成年者に代わって申告をする場合、この点に注意が必要です。

2-1.親権者は贈与税の申告書作成から納付までを代理する

親権者が未成年者を代理して贈与税を申告するには、申告書を作成し、未成年者に意思能力がある場合(10歳前後)は未成年者の、ない場合は親権者の記名・押印を行います。

申告書の他に必要な添付書類は、あらかじめ準備しておきましょう。

代理人である親権者は、贈与税の申告書を受贈者である未成年者の住所地を所轄する税務署に提出して申請・納付します。

関連記事
贈与税申告書-1
[図説]暦年課税制度の贈与税申告書の書き方
自分以外の人から財産を譲り受け、贈与税の申告が必要となった場合には、期限内に所轄税務署へ贈与税申告書を提出しなければ…[続きを読む]

2-2.贈与税の納付金は未成年者の財産から支払う

税金の納付は、申告者の財産から支出することになります。

したがって、未成年者の代理人が贈与税を納付する場合は、未成年者の財産から贈与税を支払わなければなりません。

もし、親権者が納付金を負担すると、未成年者が支払わなければならない税金を肩代わりしたことになり、贈与とみなされて、金額によっては贈与税が発生する可能性があるからです。

したがって、贈与税の納付金は未成年者の名義である銀行口座などから支出すべきです。

3.未成年者に対する贈与についての注意点

贈与とは、贈与者(贈与する側)と受贈者の両者による契約であり、必ず受贈者の「もらいます」という意思表示が必要になります。そこで、問題となるのが乳幼児のようにまだ意思表示のできない未成年者に対する贈与です。

しかし、未成年者に対する贈与であっても、親権者の同意があれば成立するという次のような裁決があります。

平成19年6月26日国税不服審判所 名古屋支部 裁決

「親権者から未成年の子に対して贈与する場合には、利益相反行為に該当しないことから親権者が受諾すれば契約は成立し、未成年の子が贈与の事実を知っていたかどうかにかかわらず、贈与契約は成立すると解される。」

ただし、贈与があったかどうかは、具体的な事実を総合的に勘案して判断するとして、次のようにも述べています。
 
「贈与事実の存否の判断に当たって、贈与税の申告及び納税の事実は贈与事実を認定する上での一つの証拠とは認められるものの、贈与事実の存否は、飽くまでも具体的な事実関係を総合勘案して判断すべきと解するのが相当である。」

実際、未成年者に対する贈与について、贈与といえるのかについて税務署と争いになることがあります。

そこで、以下のような対応が必要となってきます。

3-1.未成年者への贈与を証明するために贈与契約書を作成する

贈与の事実を証明するために、贈与契約書を作成します。

贈与自体は契約者がなくても、贈与者と受贈者の合意があれば成立しますが、口頭では贈与についての証拠が残りません。

そこで、贈与契約書を作成しておくと、税務署に対して贈与の事実を確実に証明することが可能です。その結果、税務署に贈与を否認されることもなくなります。

契約書には、親権者が契約書の署名・押印します(受贈者である未成年者の記載も必要です)。可能であれば、親権者に加えて、受贈者である未成年者も署名します。

3-2.未成年者への贈与を証明するために振込で贈与する

贈与と認められるには、贈与した事実を客観的に証明することも必要です。

そこで金融機関を通じて「振込」によって贈与をしておきます。未成年者名義の口座に振込をしておくことで、資金の移動を客観的に証明することが可能になります。

4.親子であっても受贈者の財産は自由に使えない

受贈者が未成年者の場合、贈与された財産を親権者が管理することが往々にしてあります。

そこで気を付けたいのが、贈与された財産は、受贈者である未成年者のものであり、親権者が自由に使える財産ではないということです。

親が自分のために子供の財産を使ってしまえば、横領となりかねません。しかし、子供が欲しがるおもちゃを買う時や、子供と映画や遊園地に行く際など子供のために使うことは問題ないでしょう。ただ、一番いいのは、成年になるまで管理し、財産をそのまま子供に渡してあげることではないでしょうか。

たとえ親子であっても、あくまで、受贈者である未成年者の財産であることを忘れないでください。

まとめ

未成年者であっても、申告書を書けるのであれば、贈与税の申告・納付をすることは可能です。

しかし、乳幼児のような未成年者の贈与税申告については、親権者が法定代理人となって申告・納付手続きをする必要があります。その際、納付金は受贈者である子供の財産から納めることを忘れないでください。

もし、贈与税についてご不明な点があれば、是非、税理士にご相談ください。


贈与税は税理士に相談すると賢く節税できます!

高額な贈与には贈与税がつきものです。しかし、贈与税は基本的に高額です。
自分で良く分からないままに手続するのは「もったいない」ことです。

贈与税申告に強い税理士であれば、節税のためのノウハウやアイデアを多数持っています。
高額な贈与を考えていて、贈与税が気になる方、下記のようなお悩みがある方は、ぜひ一度贈与税申告に強い税理士にご相談ください。

  • 贈与税の申告の仕方が分からない
  • 賢く節税したい
  • 税務署の税務調査などは避けたい
  • 脱税を疑われたくない

当サイトでは贈与税申告に強い税理士を厳選紹介しています。お気軽にご相談ください。

都道府県から贈与税申告に強い税理士を探す
この記事が役に立ったらシェアしてください!