[図説]相続時精算課税制度を利用した贈与税申告書の書き方

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相続時精算課税選択届出書

相続時精算課税制度を上手に使うと、相続税の節税対策になります。ただし、相続時精算課税制度を使うためには、「相続時精算課税選択届出書」や贈与税の申告書を所轄の税務署に提出する必要があります。また、さまざまなケースで贈与税の申告書等の記載方法や記載箇所が異なります。

ここでは、相続時精算課税制度を初めて適用する場合と、適用中の場合における贈与税申告書の書き方を解説します。

1.相続時精算課税制度を初めて適用するケース(非課税範囲内)

相続時精算課税制度を初めて適用する場合は、「相続時精算課税選択届出書」と贈与税の申告書を作成する必要があります。

1-1.相続時精算課税選択届出書

相続時精算課税選択届出書

相続時精算課税選択届出書の全体図です。書き方の詳細を詳しく解説していきます。

相続時精算課税選択届出書

・税務署名他
用紙左上に、提出年月日と住所地を所轄する税務署名を記載します。
提出年月日については受付印に受領日が印字されているため、記載を省略することもできます。

・受贈者欄
贈与を受けた人(贈与税の申告をする人)の住所や氏名、電話番号などの情報を記載します。特定贈与者との続柄は「長男」や「長女」、「孫」等を記載します。

特定贈与者とは、「贈与者:直系尊属、受贈者:1月1日時点で20歳以上」の場合の贈与者のこと。
相続時精算課税制度の要件は、「60歳以上の直系尊属から20歳以上の子供/孫への贈与」ですので、贈与者は必然的に特定贈与者に該当します。

相続時精算課税選択届出書・特定贈与者に関する事項
贈与をした人の住所や氏名、電話番号などの情報を記載します。

相続時精算課税選択届出書・年の途中で特定贈与者の推定相続人又は孫となった場合
こちらは、養子等で年の途中で特定贈与者の推定相続人、または孫となった場合で、その後の贈与に対して、相続時精算課税制度を選択する場合のみ記載します。
該当がない場合は記載しません。

相続時精算課税選択届出書・添付書類
1番~4番までのすべての書類が必要です。書類の添付を確認しチェックを付けます。
特定贈与者の住民票の写しはマイナンバーの記載のないものを添付します。

※複数の特定贈与者(贈与をした人)から贈与で相続時精算課税制度を利用する場合は、特定贈与者ごとに、相続時精算課税選択届出書を作成して提出する必要があります。

1-2.贈与税の申告書

相続時精算課税制度を利用する場合は、贈与税の申告書の第一表と第二表を作成する必要があります。手順としてはまず第二表を作成し、第二表の数字を第一表に転記します。

贈与税申告書第1表

贈与税申告書第2表
それでは、第二表から見ていきましょう。

1-2-1.第二表

贈与税申告書第2表・右上
受贈者(申告した人)の氏名を記載します。

・チェック欄
「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」を受ける場合のみ、チェックを付けます。それ以外はチェックの必要はありません。

贈与税申告書第2表・特定贈与者欄
贈与をした人の住所や氏名、生年月日などの情報を記載します。

贈与税申告書第2表・左の特定贈与者から取得した財産の明細
贈与された財産の明細を記載します。贈与を受けた財産が複数ある場合は財産ごとに記載します。

  • 種類…土地、家屋、事業用資産、有価証券、現金、預貯金等などの種類を記載します。
  • 細目…田、畑、宅地、上場株式等などの種類を記載します。現金、預貯金等は記載の必要はありません。
  • 利用区分・銘柄等…自用地や貸付地、自用家屋、現金、普通預金、銘柄(会社名)などの区分を記載します。
  • 数量・単価…贈与を受けた財産に数量や単価がある場合は記載します。○○㎡、○○株など
  • 所在場所等…贈与を受けた財産の所在場所を記載します。有価証券の場合は発行法人の所在地及び名称を、預貯金等の場合は金
  • 融機関等の所在地及び名称、支店名を記載します。
  • 固定資産税評価額・倍数…土地等で必要な場合のみ記載します。

・財産を取得した年月日
財産を取得した年月日を記載します。記載漏れが多い箇所のため注意しましょう。

・財産の価格
贈与財産の評価額を記載します。

贈与税申告書第2表・㉑財産の価格の合計額(課税価格)
相続時精算課税制度を利用する贈与財産の価格の合計額を記載します。

贈与税申告書第2表・特別控除額の計算
相続時精算課税制度を初めて適用する場合(非課税範囲内)に記載が必要な箇所は、以下の通りです。

㉓特別控除額の残高
特別控除額の2500万円を記載します。

㉔特別控除額
㉑と㉓のいずれか低い金額を記載します。

㉕翌年以降に繰り越される特別控除額
特別控除額2500万円のうち、この年度で使いきれなかった残高を記載します。金額は㉓から㉔の数字を差し引いた額です。

贈与税申告書第2表・税額の計算
非課税範囲内の贈与の場合は記載の必要はありません。

贈与税申告書第2表・上記の特定贈与者~
非課税範囲内の贈与の場合は記載の必要はありません。

贈与税申告書第2表・税務署整理欄
記載不要です。

※特定贈与者が複数いる場合は、その人数分第二表の作成が必要です。

1-2-2.第一表

第二表の作成が終わったら、第一表を作成します。

贈与税申告書第1表・税務署名他
用紙左上に提出年月日と住所地を所轄する税務署名を記載します。提出年月日については、受付印に受領日が印字されているため、記載を省略することもできます。申告書を提出する年分の数字を記載します。

・申告者欄
申告者の住所や氏名、電話番号、マイナンバーなどの情報を記載します。

・税務署整理欄
記載不要です。

贈与税申告書第1表・暦年課税分
相続時精算課税制度のみの場合は記載不要です。

贈与税申告書第1表・合計欄
相続時精算課税制度を初めて適用する場合(非課税範囲内)に記載が必要な箇所は、以下の通りです。
⑪相続時精算課税分の課税価格の合計額:第二表の㉑の金額を転記します。
⑬課税価格の合計額:左の⑪の数字を記載します。

2.相続時精算課税制度を適用中(2回目以降)のケース(非課税範囲超)

相続時精算課税制度を適用中(2回目以降)の場合は、基本、贈与税の申告書のみ作成します。「相続時精算課税選択届出書」は、新たに特定贈与者が増えた場合のみ作成が必要となります。前回以前と特定贈与者が変わらない場合は、作成不要です。

2-1.贈与税の申告書

初回の適用時と同様に、贈与税の申告書の第一表と第二表を作成する必要があります。手順としてはまず第二表を作成し、第二表の数字を第一表に転記します。
まずは第二表から見ていきましょう。

2-2-1.第二表

途中までは、初めて相続時精算課税制度を適用する場合と同じですので省略します。

贈与税申告書第2表
・特別控除額の計算
相続時精算課税制度を適用中(2回目以降)のケース(非課税範囲超)で、記載が必要な箇所は、以下の通りです。

㉒過去の年分の申告において控除した特別控除額の合計額
今までに控除した特別控除額の合計額を記載します。不明な場合は、2,500万円から前年分の贈与税の申告書第二表の㉕の数字を差し引いた金額を記載します。

㉓特別控除額の残高
特別控除額の残高を記載します。前年分の贈与税の申告書第二表の㉕の数字を転記します。

㉔特別控除額
㉑と㉓のいずれか低い金額を記載します。

㉕翌年以降に繰り越される特別控除額
特別控除額2500万円のうち、この年度で使いきれなかった残高を記載します。金額は㉓から㉔の数字を差し引いた額です。

贈与税申告書第2表・税額の計算
記載が必要な箇所は、以下の通りです。

㉖㉔の控除後の課税価額
㉑から㉔を差し引いた金額(1,000円未満切捨て)を記載します。

㉗㉖に対する税額
㉖の数字に20%を乗じた金額(100円未満切捨て)を記載します。

㉙差引税額
通常、㉗の数字をそのまま転記します。

残りは、初回の適用時と同様です。

2-2-2.第一表

第二表の作成が終わったら、第一表を作成します。
こちらも途中までは、初めて相続時精算課税制度を適用する場合と同じですので省略します。

贈与税申告書第1表・合計欄
相続時精算課税制度を適用中(2回目以降)のケース(非課税範囲超)に記載が必要な箇所は、以下の通りです。

⑪相続時精算課税分の課税価格の合計額
第二表の㉑の金額を転記します。

⑫相続時精算課税分の差引税額の合計額
第二表の㉙を転記します。

⑬課税価格の合計額
左の⑪の数字を記載します。

⑭差引税額の合計額
上記⑫の数字を記載します。

⑱申告期限までに納付すべき税額
通常の場合、⑭の数字を記載します。この金額が納付する贈与税の金額です。

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