贈与税の基礎控除で110万円までの贈与が非課税に

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財産を所有している人が、親族や第三者に自分が持っている財産を生前に無償で引き継ぐ贈与。この贈与は経済的な利益を与えるため、財産を受け取った人に贈与税がかかります。では、少額の贈与でも贈与税が課されるのでしょうか。

実は、贈与はある一定の金額までは贈与税が課されることはないのです。ここでは、そんな贈与の非課税について解説します。

1.贈与税の基礎控除

1-1.年間で110万円まで非課税

贈与税は受贈者(もらった人)にかかる税金です。ただし、もらった額すべてに対して贈与税がかかるのではなく、誰しも平等に一定の非課税枠を持っています。これが贈与税の基礎控除です。

贈与税の基礎控除は1年間で110万円です。つまり、1年間で110万円までの贈与なら、贈与税がかかりません。しかも、110万円までの贈与の場合は贈与税の申告自体も不要なため、申告書作成の手間も省けます。

1-2.以前は60万円まで

ちなみに平成13年の贈与税の改正までは基礎控除は60万円でした。実はいまも相続税法第21条の5では、「贈与税については、課税価格から60万円を控除する」となっています。しかし、平成13年の改正で新たに租税特別措置法の中で基礎控除110万円と定めています。

相続税の租税特別措置法は、相続税法を補う役目の法律ですが、あくまで補助的な役割のため改正や廃止が比較的簡単にできます。現状、基礎控除の額を減らすことは考えにくいですが、租税特別措置法が廃止になれば贈与税の基礎控除が60万円まで下がるということは、頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。

2.生前贈与で相続税対策

生前に財産を贈与するのには、子どもや孫のための生活や教育、結婚の資金などいろいろな目的があります。その中の1つに相続税対策もあります。
財産は死亡するまで持っていると相続税がかかります。相続税対策とは、その死亡時にもっている財産の価額をいかに小さくするか、相続税の納付額を小さくするかの対策をすることです。

生前贈与には110万円の基礎控除があります。その範囲内で、毎年少しずつ子どもや孫に財産を贈与して、相続財産を減らしていけば、贈与税もかからず、かつ相続税の節税対策にもなります。

暦年贈与

3.基礎控除枠利用の注意点

贈与税の基礎控除枠110万円を使って贈与を行う場合には、いくつかの注意点があります、主な注意点を見ていきましょう。

3-1.毎年、贈与額を決める

毎年110万円以下の贈与をするときに気を付けなければならないことは、定期贈与とみなされないようにすることです。定額贈与とは、もともと贈与する額の合計金額が決まっていて、それを毎年定額に分割して贈与をする方法です。

例えば、総額500万円の贈与を5年間に渡って行ったとします。その場合、毎年均等に贈与すれば1年間の贈与額は、100万円です。1年間だけ見ると基礎控除の110万円以下のため贈与税はかかりませんが、この場合は最初の年に500万円の贈与をしたとみなされ、贈与税が課されます。定期贈与とみなされないためにも、総額いくらと決めるのではなく、毎年贈与する金額を決めることが必要です。

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3-2.贈与の都度、贈与契約書を作る

相続と贈与では、契約成立の考え方が大きく違います。相続は被相続人(財産を渡す人)の死亡等の事実で相続人との契約が成立します。また、あらかじめ遺言がある場合も遺言者の意志だけで契約が成立します。相続人(財産を受け取る人)の意志表示は必要ありません。

ところが、贈与は贈与者と受贈者の双方の意志や同意がなければ成立しません。契約自体は、契約書を残さず口約束でも成立します。しかし、贈与契約書がないと後に約束した・してないというトラブルになる可能性があります。
後のトラブルを防ぐためにも、贈与者と受贈者双方の署名・押印をした贈与契約書を作成します。また、定期贈与とみなされないためにも、契約の都度、忘れずに贈与契約書を作成しましょう。

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3-3.贈与は、毎年違う金額で行う

生前贈与で避けたいのが、定期贈与ではないのに定期贈与とみなされ、贈与税を納めなければいけなくなることです。そのためにも、毎年贈与する必要がある場合は、できるだけ毎年贈与する金額や時期、回数などを変えましょう

3-4.贈与は現金手渡しではなく、振込でおこなう

贈与は親族間で行われることが多いです。そのため、贈与の手段として、現金を手渡しする方法をとっている人も多くいるでしょう。しかし、それでは証拠が残りません。贈与の都度、贈与契約書を作成したり、毎年贈与する金額や時期、回数などを変えたりしても、証拠がなければ証明することが難しくなります。

そこで、現金を手渡しする代わりに、通帳への振込で贈与します。いつ、誰からいくら振り込まれたかが通帳に記録されるので、それが証拠になります。

3-5.相続前3年以内の贈与に気を付ける

110万円以下の贈与は贈与税もかからず、その分相続財産も減るので、相続税の節税対策にもなります。しかし例外があります。それが相続前3年以内の贈与です。

相続があったら過去3年間に贈与した財産は、被相続人が相続開始時に所有していた財産に合算され、その合算額に相続税が課されます。そのため、贈与税の基礎控除110万円を使った節税効果がなくなります。

事故などで突然相続が開始された場合は仕方ありませんが、財産を所有している人が入院している場合などは、相続前3年以内の贈与は相続税の対象になることを頭に入れて贈与などを考えましょう。

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