名古屋市中区の相続と税理士事情

愛知県 名古屋市 中区 名古屋城

愛知県名古屋市の中心部分に位置している中区。交通の利便性もよく商業施設が多く建てられていますが、オフィスや金融機関が集まることから、名古屋屈指のビジネス街としてもよく知られています。

それでは、中区にはどのような相続の特徴があるのか、地価や所得のデータから考えていきましょう。

1.名古屋市中区の相続事情

名古屋市の中心地として機能している中区。そんな中区の相続税の申告件数は166件、実際に課税された件数が129件です。相続1件あたりの納付税額は約1,600万円、課税割合は20.57%となっています。1件あたりの納付税額も課税割合も高い数字なのですが、納付税額の中位程度の金額となっています。特に、愛知県の平均が約1,800万円ですので、平均よりも下回っていることが分かります。

一方で、課税割合は非常に高く、県内で2番目の高さとなっています。1位との差はわずか0.08%とほぼ変わりせんので、最高クラスの割合です。つまり、中区の相続の特徴は、県内の平均的な相続税額がより多くの人に課税されていることだといえます。そのため、油断せずに日頃から相続税に関しての対策を講じておきましょう。

2.地価事情

5人に1人という課税割合が非常に高い中区。そこで、どうして課税割合が高いのか、その秘密を地価から探っていきましょう。

2-1.代表的な地域と地価

2-1-1.栄

名古屋市の中心部に位置する中区。その中でさらに中心地として発展しているのが栄です。栄は広小路通と大津通という2つの大きな通りが交わる交差点を中心に発展した地域です。まっすぐと抜けていく通りの特性を活かして、大型商業施設や専門店、オフィスビルなどが多く立ち並んでいます。

また、自動車だけでなく歩道も広く整備されています。徒歩での移動も手軽に行えるため、休日だけでなく平日でも多くの人で賑わっています。特に、栄は鉄道を利用することで、さまざまな場所へのアクセスが可能です。一方で、遠くの地域からでも簡単に行き来ができるため、より多くの人が訪れるようになったことで大きく栄えている地域なのです。

栄の地価平均は約280万円と、中区内で最も地価が高額な地域です。中心地では地価が500万円以上のところもあり、場所によって大きく跳ね上がっていることも特徴的です。こうした地価の高騰は、やはり交通の中心部に位置しており、多くの人が集まりやすいため、ビジネスには最適な場所だからだと考えられます。

さらに、栄から徒歩で移動できる矢場町や久屋大通なども同じく商業施設やオフィスビルが集まっています。それぞれ中区内で2位3位の地価を誇る地域となっており、相互作用によって地価が特別上がりやすい場所ともいえます。そのため、簡単には地価が下がらず、安定して高値のまま推移しています。

名古屋市中区 栄 名古屋市科学博物館

2-1-2.丸の内

栄から久屋大通を抜けると見えてくるのが丸の内です。栄の華やかさから一変し、よりビジネス街の色合いが強くなっている地域です。現在のように大きく発展したのは、市営地下鉄鶴舞線の丸の内駅が開業したことがきっかけです。

その後、桜通線が開通し久屋大通から鉄道によるアクセスが可能となり、名城線開通に伴いよりアクセスが良くなったことでビジネス街としての需要も大きく伸びていったのです。また、発展の中で銀行の大型支店などが建てられることも多く、金融街とも呼ばれることが増えています。

丸の内の地価平均は約110万円で、区内では4番目に高額な地域です。栄などと比べて商業施設が少なく、新たなビルの建設なども少なく落ち着いていることから、地価が伸びにくいのかもしれません。

ただ、丸の内は名古屋駅と非常に近く、県外からのアクセスも簡単な場所です。そのため、オフィスを構えるなら丸の内が最も適しており、今後もビジネスの一等地として人気が落ちることはないでしょう。特に、丸の内からは官庁街である三の丸へのアクセスも簡単なため、市内ではここ以上にビジネスに適した場所はないでしょう。

2-1-3.金山

栄の少し外れた南部に位置して降り、熱田区との区境となっている地域が金山です。金山は栄のように商業施設とオフィスビルが多く建設されていますが、発展してきた歴史がまだ浅く、どちらかというとまだ発展途中の地域です。

金山が大きく発展したきっかけとなったのが、1989年に金山総合駅が整備されたことです。金山総合駅には、JR東海、名鉄、市営地下鉄の3路線が乗り入れており、名古屋駅に次ぐハブ駅として整備されました。その結果、名古屋市の副都心のような都市となり、総合駅を中心として急速に発展したのです。

金山の地価平均は約66万円で区内で6位の高さです。やはり、栄などと比べると地価が大きく下がっていますが、ここ数年は地価が大きく成長しています。実は、アスナル金山という駅直結の大型商業施設が建設されたときに大きく地価が上がりましたが、その反動と期待よりも大きな利益に繋がらかったことから、しばらく地価が下がっていたのです。

しかし、アスナル金山の新たな再開発や総合駅の利便性の高さから高層マンションなどの建設が増えたことで、地価が再び値上がり傾向を見せているのです。つまり、金山は栄や丸の内など都市部のベッドタウンとして人気を集めているため、今後も地価の上昇が考えられています。

2-1-4.大須

古くから栄えており、名古屋市で最も有名な商店街ともいわれる大須。秋葉原や日本橋と並び、日本三大電気街としてもよく知られています。大須商店街が大きく発展したのは、大須観音の移転によることがきっかけです。

この移転をきっかけに門前町として大きく発展し、時代ごとに多くの施設が作られていきました。しかし、第二次世界大戦により大きな被害を受けたこの地域は、戦後復興と長い商店街の歴史が合わさったことにより、現在のようなさまざまな文化が入り乱れる商店街が出来上がったのです。

大須の地価平均は約50万円と、他の地域よりも低い数字となっています。これは、商店街がすでに出来上がっており、新しい大型施設の建設が難しいことから企業からの需要が低いからだと考えられます。

一方で、矢場町まで徒歩で行くことができ、さらにそこから久屋大通や栄までアクセスできます。つまり、大須に対してビジネス街のような雰囲気は求められていません。住宅街と上手に共存し、下町感あふれる今の姿が地域の人々に最も求められている様相でもあるのです。

2-2.地価の特徴

さて、中区全体の地価平均は約110万円と丸の内の地価とほぼ同じです。このことから、中区の地価が高額になっているのは、栄や矢場町などのずば抜けて地価が高額な地域がある影響だと考えられます。実際に他の地域ではそれほど地価が高額ではありません。

ただ、名古屋市の地価平均が約38万円となっており、市内での地価の順位は中区が2位です。そのため、地価が低いと感じている地域でも市内の他の区と比較してみるとトップクラスの地価となっている場合もあります。

また、中区はそこだけで繁華街やビジネス街が形成されていますが、より発展した都市部である名古屋駅に近いことも地価への影響が大きいポイントです。10分以内で行き来できる地域もあるほどです。

そして、名古屋駅周辺の価値が下がることは考えにくいため、地価が大きく下落することもなく、全体的に高値で安定して推移しています。ですので、相続が発生すると土地の相続による相続税が課されやすく、高額な相続税を納めなければいけないのです。

3.所得と富裕層

続いて、名古屋市中区の所得の状況から相続税について考えてみましょう。中区の平均世帯年収は約440万円だといわれています。名古屋市の平均世帯年収が約390万円ですので、平均よりも高額な不有用が多く集まっている地域といえるでしょう。

中区にはオフィスなどが集まっていますが、地価が高いためオフィスを借りるだけでも高額な負担が発生します。それでも、ビジネスが成り立っているのなら、会社の利益も大きく、勤めている社員の給料も高額になっていると考えられます。

また、商店街など個人商店が多いため、会社員よりも多くの収益が発生していることも、世帯年収が高額な要因となっているでしょう。特に、お店が多いということはパートやアルバイト先も豊富に存在しているということでもありますので、世帯としての収入は高額になりやすいのかもしません。

ただ、割合としては年収300万円未満の割合が約40%を占めています。これは、他の地域よりも高い数字で、収入の格差が大きいことも分かります。中区が課税割合に比べて1件あたりの納付税額が低くなっているのは、こうした所得による差が関係していると考えられます。

4.名古屋市中区の税理士事情

課税割合が高い名古屋市中区では、日頃から相続税について考えておき、可能な限り対策を講じておくのが効果的です。特に、商店街などで自生業を営んでいる方は、相続が複雑化し相続税の計算が難しくなる可能性があります。

そこで、税理士へ依頼して適切な方法で節税対策を行うことが必須となっています。中区に在籍する税理士数は698名です。1年間の課税件数が129ですので、在籍税理士数は多く不足しているとはいえません。そのため、余裕を持って相続税の相談ができるでしょう。

ただ、注意が必要なのは中区に集中して在籍していることです。一部の地域に集中していると、他の地域に在籍する税理士が少なくなり、隣接地域から中区の税理士へ依頼することが増えていきます。特に中区は、離れた地域からでも簡単にアクセスができますので、実際の課税件数よりも多くの案件を抱える可能性が高いのです。

もちろん、それでも税理士へ依頼できない可能性は低いですが、「相続に強い税理士」への依頼は難しくなるでしょう。少しでも相続税を抑えたい、確実に信頼できる税理士へ依頼したいと考えるのなら、いち早く税理士探しを行い、迅速に依頼ができるように準備を整えておきましょう。

名古屋市中区の相続税申告に強い税理士

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【参考】相続関連機関一覧

名古屋市中区内の相続に関連する各種機関の連絡先一覧をまとめました(2018年1月現在)。ただし、変更される可能性があることをご了承ください。

機関名住所TEL
名古屋中税務署〒460-8522
愛知県名古屋市中区三の丸三丁目3番2号
名古屋国税総合庁舎
052-962-3131
栄市税事務所〒461-8626
愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番3号
案件により異なる
HP参照
名古屋東部県税事務所〒460-8483
愛知県名古屋市中区新栄町2-9
(スカイオアシス栄内)
093-662-9310(代表)
名古屋市中区役所〒460-8447
愛知県名古屋市中区栄四丁目1番8号
052-241-3601(代表)
名古屋法務局
本局
〒460-8513
愛知県名古屋市中区三の丸2-2-1
案件により異なる
HP参照
葵町公証役場〒461-0002
愛知県名古屋市東区代官町35番16号
第一富士ビル3階
052-931-0353
名古屋家庭裁判所〒460-0001
愛知県名古屋市中区三の丸1-7-1
052-223-3411(代表)
愛知県司法書士会〒456-0018
愛知県名古屋市熱田区新尾頭1-12-3
052-683-6683
愛知県弁護士会〒460-0001
愛知県名古屋市中区三の丸1-4-2
052-203-1651

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監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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