贈与とは?贈与税とは?

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不動産

1.贈与とは?

1-1.相続と贈与の深い関係

相続」について学んでいると、「贈与」という言葉もよく目や耳にします。贈与とは、簡単にいうと、ある人が別の人に無償で自分の財産をあげることです。

「相続」と「贈与」は非常に深い関係があります。相続も贈与も誰かが別の人に自分の財産をあげるという点は同じですが、財産をあげるタイミングとあげる人/もらう人の意思の有無が異なります。

「相続」では被相続人(あげる人)が亡くなると、自動的に相続人(もらう人)に財産が移ります。被相続人が「あげます」という意思表示をしていなくても、また、相続人が「もらいます」と意思表示をしていなくても、相続は成立します。「もらいたくない」という場合、つまり、相続したくない場合は、相続放棄をしないといけません。

「贈与」では、基本的には生きているときに、贈与者(あげる人)が「あげます」と意思表示をし、さらに、受贈者(もらう人)が「もらいます」と意思表示をすることで、贈与が成立します。本人が生きているうちに贈与するので、「相続」と対比して「生前贈与」と言ったりします。

1-2.贈与は、あげる人ともらう人の契約で成り立つ

贈与では、贈与者(あげる人)片方の意思表示だけでは贈与にならず、必ず受贈者(もらう人)の"OK"の意思表示が必要です
たとえば、親がまだ1歳の子供に「お金をあげるよ」と言ってお金をあげたとしても、1歳の子供はお金をもらうという意思表示ができませんので、これは贈与にはなりません。
他に、相続税対策として、親が子供の名義の銀行口座を勝手に作り、そこに少しずつ預金を移していたという例もよくありますが、これも、もらう側の子供がそれを知りませんので、贈与にはなりません。贈与では必ず、あげる人/もらう人の両者の意思表示が必要なわけです。

民法第549条では、「贈与契約」として定められています。契約なので書面で行うことを想像するかもしれませんが、口頭で行うこともできます。口頭でもお互いに「あげる」「もらう」の意思が成立すれば大丈夫です。

民法第550条によれば、口頭でした贈与契約については、まだ行っていない部分について取り消すことができます(すでに贈与してしまった部分についてはもう終わっていますので、取り消すことができません。)なお、書面で贈与契約をした場合は取り消すことができません。

民法第549条
贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

民法第550条
書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

2.贈与の種類

贈与にはいくつかの種類があります。

(1)定期贈与

定期的に一定の金額を贈与。
例)「毎年、100万円ずつ20年間贈与する」

(2)負担付贈与

財産を贈与された者(受贈者)に一定の義務を負わせる贈与。受贈者が負担を負わない場合には、贈与者(財産を贈与する者)は贈与契約を解除できます。
例)「土地を贈与するので、かわりに、借金を負担してほしい」

(3)死因贈与

財産を贈与する者の死亡によって実現する贈与。なお、この死因贈与の場合のみ、贈与税ではなく相続税の課税対象となります。
例)「私が死んだら家をあげる」

(4)通常の贈与

上記以外の贈与。贈与の都度、贈与契約が行われます。
一般的に相続対策としてよく出てくる「生前贈与」はこの贈与です。

3.相続と贈与の違い

相続と贈与の違いを整理しておきます。

相続贈与
時期死亡時生前
(ただし、死因贈与は死亡時)
意思表示なしあり
(口頭または書面)
財産をあげる人/
もらう人の呼び方
あげる人:被相続人
もらう人:相続人
あげる人:贈与者
もらう人:受贈者

4.贈与税とは

相続に相続税があるように、贈与には贈与税があります。贈与税はなぜ払うのでしょうか?
相続や遺贈で財産をもらった場合は相続税を払いますが、生前に贈与で財産をもらえば、相続税が少なくなるか、またはゼロになります。すると、生前贈与で財産をもらったかもらっていないかで不公平が生じることになります。

そこで、生前贈与の部分に対しては贈与税をかけることで不公平を防止します。なお、贈与税には基礎控除という非課税枠があり、贈与で取得した金額が110万円までであれば贈与税はかかりません。

5.贈与税は誰が、いつ、どこで、いくらから払う?

  • 贈与税は誰が払うの?・・・財産を贈与された人が自分で申告して払います。
  • 贈与税はいつ払うの?・・・翌年の2月1日から3月15日までに払います。1月1日から12月31までの1年間に贈与された財産を合計し、まとめて申告・納税します。
  • 贈与税はどこで払うの?・・・贈与された人が住んでいる場所を管轄する税務署で払います。(最近は電子申告・納税も可能です。)
  • 贈与税はいくらから払うの?・・・もらった財産が基礎控除額110万円を超えたら払います。
  • 贈与税はいくら払うの?・・・贈与税の税率表で計算します。

注意したいのは、あげた人ではなくもらった人が贈与税を払うことです。そして、基本的には贈与税は現金で一括で払います

もらった財産が現金や預金なら、そこから贈与税を払えば良いので問題ありませんが、もらった財産が不動産の場合は困ることになります。建物の土地などの不動産は一部を分割してお金にするわけにはいきませんので、別途、納税用の現金を用意しなければいけません。自分の貯金を切り崩すか、最悪の場合、借金をしないといけなくなるかもしれません。「延納」といって、納税する期間を延ばして分割して払うこともできますが、利息に当たる利子税をとられますので、どちらにしても、不利な状況となります。

また、複数の人から贈与を受けた場合は、その金額を合計して、贈与税を申告・納税します。たとえば、父親から100万円、母親からも100万円を贈与された場合、それぞれでは基礎控除額の110万円以下ですが、合計すると200万円になるため贈与税を申告・納税する必要があります。

なお、「死因贈与」は、相続と同じタイミング(贈与者が亡くなったとき)で発生しますので、贈与税ではなく相続税がかかります。

6.みなし贈与とは?

税法上の贈与は、民法上の贈与よりも範囲が広く定められています。
贈与していなくても贈与とみなされて、贈与税がかかる場合があります。これを「みなし贈与」と呼びます。

たとえば、不動産の名義を親から子に変更した場合、親子のどちらにも贈与のつもりはなくても、実質、親から子へ不動産をあげたのと同じことになりますので、贈与税が課税されるわけです。不動産の場合、もらった人が想定していない多額の贈与税が発生する可能性がありますので注意が必要です。

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