5分で解決!土地相続の手続きの流れと相談先

土地 宅地

財産を所有している人が亡くなると、遺産を分割したり、相続税の申告をしたりして相続の手続きが開始されます。相続は一生のうちに、そう何度も遭遇するわけではないので、手続き方法が分からないという人も多いのではないでしょうか。特に、財産に土地がある場合は手続きが複雑です。

ここでは、相続が初めてという方にもわかりやすいように、土地を相続した際に必要な手続きと、それを誰に相談すればよいか解説します。

1.土地を相続する場合の手続きの概要

まず簡単に、土地を相続する場合の流れを見ていきましょう。土地を相続する場合の一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 土地の査定
  2. 遺言の確認、遺産分割協議
  3. 相続登記
  4. 相続税申告(必要な場合)
  5. 売却(土地が不要な場合)

まずは、その土地がどれぐらいの価値があるかを査定し、誰が引き継ぐかを決めます。
次に、誰が引き継ぐかが決まれば、所有権移転の登記や相続税の申告(必要な場合)を行います。
こちらは決まった順番はありませんが、土地の相続人が決まった時点でなるべく早めに相続登記をするのが望ましいでしょう。相続税申告の期限は相続発生後10ヶ月以内です。

住んでいる場所から離れた土地など、使わない土地については、売却を考えることもあります。

2.土地の金額を査定する→不動産業者

相続が始まると、どの財産を誰が相続するかを決める必要があります。
現金や預金であれば、金額がはっきりしているので、遺産分割について簡単に話が進みますが、土地の場合は、その土地にどれほどの価値があるか簡単にはわかりません。そこで、不動産業者に相談して現在の市場価格を査定してもらいます。

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3.誰が相続するか決める

土地の価値がわかれば、次はその土地を誰が相続するかを決めます。遺産の分割方法は遺言書がある場合とない場合で異なります。

(1)遺言書がある場合

相続では、被相続人(亡くなった人)の意志が最優先されます。そのため、遺言書でその土地を誰に相続するかの記載があれば、その遺言に従って分割します。遺言書があっても土地についての記載がなければ、次の遺言書がない場合と同じ方法で処理します。

(2)遺言書がない場合

遺言書がない場合、もしくは遺言書があっても土地についての記載がない場合は、相続人全員で遺産分割について協議する必要があります。遺産分割協議については、いつまでに行わないといけないという期限はありません。しかし、相続税の申告(相続開始後10か月以内に申告が必要)や相続登記などのことを考えると早めのほうがよいでしょう。

もめてしまった→弁護士

遺産分割協議は、協議した内容に相続人全員が承諾しないといつまでたっても終わりません。遺産分割協議が終わらないと、遺産を分割することができないため、相続税の申告や相続登記も行うことができません。そのため、相続人の間でもめてしまったら、早めに弁護士に相談する必要があります。

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もめていない→税理士、司法書士、行政書士など

逆に相続人同士でもめていなければ、自分たちだけでも遺産を分割することは可能です。この場合でわからないことがあれば、税理士、司法書士、行政書士などに相談します。

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また、相続では、現預金や土地などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐ必要があります。プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合などは、相続を放棄することも可能です。ただし、相続放棄するためには、相続開始から3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。相続放棄の手続きで困った場合は、弁護士に相談します。

4.土地の名義変更をする(相続登記)→司法書士

遺産分割協議が終わったら、いよいよ土地の相続です。土地を相続したら、土地の名義を変更します。法務局で相続登記(所有権移転登記)を行うことで、土地の名義変更ができます。その際には、登録免許税などの費用がかかります。

実は、相続登記自体は、必須ではなく、そのまま相続登記をしなくても罰則などはありません。しかし、最近は所有者不明の土地が増加して、問題になっています。次の相続でトラブルのもとになったりするので、できる限り相続登記を行いましょう。登記の期限等はありませんが、トラブルを避けるためにも早いうちにしたほうが良いです。

相続登記は、自分たちだけで行うことができます。しかし、登記書類が複雑だったり、法務局に何度も足を運ぶ必要があるため、できれば司法書士に相談したほうがよいでしょう。

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5.相続税申告をする(必要な場合)→税理士

相続があると、相続開始から10か月以内に相続税の申告をする必要があります。
実は、相続があったからといって、必ず相続税の申告をする必要はありません。相続税の申告をするのは納める相続税がある場合のみです。

厳密に言えば、相続財産の価値が基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人の数))より低い場合は、相続税の申告をする必要がありません。相続財産の価値が基礎控除額より高い場合は、配偶者の税額軽減などを使って、納める相続税がなかったとしても、相続税の申告は必要です。

土地は評価しないと簡単には金額がわかりません。そのため、相続税の申告が必要かどうかも判断できません。相続税で使う土地の評価額は、不動産業者に相談して査定された現在の市場価格とは別のものとなります。土地の評価方法は非常に複雑で、しかも、申告書作成も難しいため、税理士に相談することをおすすめします。

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6.売却する(土地が不要な場合)→不動産業者

相続の手続きとは少し違いますが、相続に関連する事柄として、相続した土地をどうするかという問題があります。

相続した土地を利用しない場合は、土地を管理するための費用や、固定資産税などのコストだけがかかってしまうことになります。
そのため、今後も相続した土地を利用する予定がない場合は、土地の売却を考えます。

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土地を売却するためには、不動産業者に依頼して買主を探してもらうことになります。相続した土地を売却して利益が発生したら、所得税・住民税が発生します。その場合、所得税の確定申告をすることになりますが、申告や税金の計算は税理士に相談します。

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