相続発生後に家族が必要な手続き
相続の手続きというと遺産分割と相続税の申告・納税が大きなテーマになりますが、それとは別に、残された家族には、いろいろ…[続きを読む]
相続手続きは、本当にやることが沢山あり、はじめての方には大変な手続きです。
そこで、このページでは「相続に関してやるべきこと」を一覧形式でまとめました。
この記事では、葬儀法要や各種届出を含め、相続に関して必要な手続を時系列に沿って分かりやすく解説しています。手続の注意事項や、関連事項も説明しているので、はじめて相続手続きを行う方は、ぜひご一読ください。
また、記事の最後にはチェックリストも用意しました。「どの手続が終わったか」をチェックする備忘録としても、本記事をご活用ください。
目次
状況によって不要なもの/順番の前後はありますが、主だった手続きはこれだけです。
非常にたくさんの手続きがあり、これを見るだけでも「大変だ」という印象を受けます。
実際には、それぞれの手続に「期限」や「目安の日程」があるので、それに沿ってスケジュールを立てると整理できます。
以下では、「3カ月以内」「10カ月以内」と、被相続人死亡の日からの経過時間に沿って、スケジュール例を紹介していきます。
相続手続き期間の中で最も忙しいのは、この時期です。精神的にもツライ時期ですが、公官署の手続きもあるので、期日等には気を付けましょう。
通夜葬儀に期日はありませんが、一般的には、亡くなった日の翌日夜にお通夜、翌々日の午前に告別式と火葬を行うことが多いです。
届出 | 手続き先 | 期日 |
---|---|---|
死亡届 | 市区町村役場 | 7日 |
世帯主変更届(住民異動届) | 市区町村役場 | 14日 |
年金受給権者死亡届 | 年金事務所 | 14日 |
厚生年金:10日 | ||
健康保険資格喪失の手続き | 国保:市区町村役場 | 国保:14日 |
社保:勤務先など | 社保:5日 | |
公共料金等の名義変更 | 電力会社、金融機関など | なるべく早く |
ほとんどの場合で必須になる重要手続を先に紹介します。チェックリストのほうでも細かく紹介します。期日は「被相続人死亡の日」からの日数で、「〇日以内」という意味です。
葬儀の後、早い段階で死亡届や世帯主変更届などを市区町村の役場に提出します。
年金や健康保険の受給に関する手続きも、期日が早いので早めに行います。
社会保険などは、「5日以内」と非常に期間が短いため、注意しましょう。
忘れがちなのが、公共料金や金融機関の名義変更です。これらは、特に期日などはありませんが、早めに手続することをオススメします。
特に金融機関は、契約者が死亡すると「口座凍結」という手続きが取られ、引き落としなどが出来なくなるので注意が必要です。
一般的には亡くなった日から数えて49日目に行われます。
四十九日法要が終わると死後の法要はひと段落し、家族もほっとするでしょう。
そして、ここからが相続手続きの本番になります。
相続には「相続税」というものが発生します。ただ、すべての相続に相続税が掛かるわけではなく、各種控除や非課税措置があります。
下記記事で、相続税について詳しく解説しています。おおよその遺産総額、法定相続人の数などから、相続税が掛かるか掛からないかを試算できるので、目安だけでも立てましょう。
なお、相続税は自分でも申告できますが、オススメしません。
相続税申告が関係ありそうな場合には、早めに税理士に相談しましょう。
被相続人が遺言書を遺していた場合には、基本的にはその内容通りに遺産分割を進めます。相続は遺言の有無で大きく変わるのです。
遺言書がある場合、被相続人が前もって家族に知らせることが多いですが、秘密にされる時もあります。 後から出てくると困るので、遺品整理などと合わせて慎重に探しましょう。
被相続人がどのような財産を遺したのか、それら財産の相続人になるのは誰なのか、確認し決定します。
相続財産には、現金預金や不動産などの財産だけではなく、借金などの負債も含まれる点に注意が必要です。今後の遺産分割協議や相続税の計算の基礎になるので、漏れなく把握しなければなりません。
もっとも、遺言書などの書面に記載があれば話は早いのですが、財産に関する書類が何も残されていない場合は非常に大変な手続になります。家父長が亡くなった場合などは、「何をどう管理していたかも分からない」という話になるため、調査が難航しがちです。
いくつかコツはありますが、不安が残る方は一度税理士に相談してみると良いでしょう。
相続人は次の3つから相続方法を選択することができます。
特に申し出がない場合には、本来の相続の形である単純承認となり、全ての財産債務を相続することになります。借金などが多く、「相続したくない」と感じるような場面では、相続放棄や限定承認を検討します。
準確定申告とは、亡くなった人の所得税確定申告のことです。
被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの間に、その被相続人が自営業者などで所得があり、確定申告をする必要がある場合には、相続人全員が被相続人に代わって準確定申告書を税務署に提出し、納税なければなりません。
申告期限は、相続の開始(※)があったことを知った日から4ヶ月以内です。
※ 被相続人が死亡した時点のことをいいます。
遺産を誰が相続するのか、どう分配するかを確定させます。
通常は「遺産分割協議」という話し合いで解決されますが、相続人間で揉めてしまい収集がつかなくなってしまったなど、当人同士の話し合いだけで解決しない場合には、調停→裁判と進んでいきます。
相続で一番揉めるのが、この遺産分割協議です。トラブルが発生したら、早めに弁護士などの専門家に相談しましょう。
不動産の登記上の名義を変更します。これでその不動産は相続した人のものであるということが、第三者に対して法的に主張できます。
相続登記は義務ではなく、また期限もありません。しかし被相続人名義のままで放置していると、次の相続以降に処理が複雑になってしまう可能性があります。相続登記は可能な限り早めに、そして必ず行いましょう。
相続税申告書の提出と相続税の納付は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなくてはなりません。
遅れた場合には、延滞税等のペナルティが課されるので注意しましょう。
税金には税務調査というものがあります。簡単に言うと「税の申告内容に関する調査」です。税務署から連絡が来ます。
全ての相続に関して税務調査がなされるわけではないですが、「申告内容に誤りがある」「申告額に不足がある」と、税務調査が入る可能性が高まります。
特に税理士に頼まず、自分で相続税を計算・申告した場合、高確率で税務調査が入ります。
相続税の時効は申告期限から5年なので、それを経過するまでは税務調査の可能性があります。 特に申告期限から2年後の秋までが、税務調査の確率が高い時期です。
以上が、相続に関して発生する手続きのまとめです。
一連の相続手続きの中には、相続放棄や準確定申告、相続税申告など期限が重要なものがあります。また、相続税申告など、一般人では手続が困難なものもあります。
これから相続手続きを行う方は、一度相続の専門家に相談しつつ、今後の計画を立てるのがおススメです。
当サイトでも、相続に強い税理士を厳選紹介しています。よければご活用ください。
相続に関連して行うべき主だった手続を、項目別に整理してチェックリストにしました。
ご家庭によって過不足があるかと思いますので、必要な範囲でご活用ください。
自分なりにアレンジしたチェックリストを作成するのもオススメです。
当サイトでは、相続に関する各種手続きについても解説しています。手続の細かな手順が気になる方は、あわせてご参照ください。
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