これさえ読めば大丈夫!相続税に強い税理士の選び方とは

税理士

皆様にはお知り合いの税理士がいらっしゃるでしょうか?
個人の方であれば確定申告で、会社を経営されている方であれば法人税の申告で、お世話になっている税理士の先生がいらっしゃることでしょう。
相続税についても、税金の申告ですので、いつもお世話になっている税理士の先生に依頼しようと思われているかもしれません。

ところで、失礼ながらあえて申し上げますと、相続税申告については、いつもお世話になっている税理士ではなく、「相続税に強い税理士」に依頼することを強くお勧めいたします。 なぜならば、相続税は税金の中でもかなり特殊な分野であり、経験のある税理士でないと対応が難しいからです。

なぜ、相続税に詳しい税理士に相談しなくてはいけないのか、まずは、その理由について、税理士の裏事情なども踏まえて詳しく解説します。
そして、相続税に強い税理士をどのように選んだら良いのか?そのポイントも簡潔に紹介します。

1.税理士の裏事情

1-1.相続税申告の経験豊富な税理士はごく一部

国税庁が公表している最新の相続税申告情報によると、平成28年中に死亡した人は約131万人、このうち相続税の課税対象となった人は約10万6千人で、課税割合は約8.1%となっています。

平成26年以前では約4%程度であった課税対象者ですが、平成27年の税制改正により2倍近くに増加したとはいえ、申告者数が2,100万人を超える所得税確定申告や、法人のほとんどが提出しなければならない法人税申告(申告数約286万件)と比較すると、圧倒的に税理士が触れる機会が少ないのが相続税なのです。

【出典】平成28年分の相続税の申告状況について|国税庁(付表1)被相続人数の推移

【出典】平成28年分の相続税の申告状況について|国税庁(付表2)課税割合の推移

全国の税理士登録者数は約7万8千人(平成30年11月末時点)であり、約10万6千人の課税対象者を単純に割り当てると約1.35人、税理士1人に対して年間1人程度ということになります。
毎年同じような申告を繰り返す所得税や法人税、法人税にいたっては毎月のように申告がある税理士がほとんどなので、相続税申告のレア感がご理解いただけますでしょうか。

実際には課税対象者が税理士を選んで依頼するので、税理士によってその数は異なります。相続税を専門としている税理士などは年に何十回も申告を行っている一方で、1件も行わない税理士もいるのです。

また、税理士試験で相続税法は選択科目となっているため、すべての税理士が相続税法を勉強しているとは限りません。
相続税の経験値は税理士によってまったく異なり、経験豊富といえる税理士はごく一部なのです。

1-2.責任回避のため高めに申告することも

税理士のミスによりクライアントに意図しなかった課税が生じた場合には、税理士は損害賠償請求を受けることがあります。 税金の中でも相続税はこの損害賠償請求を受けることが多く、税理士にとってリスクが高い申告となっています。

そこで、相続税に疎い税理士の中には、もしものときの責任を負わなくて済むように、無難に高めの税額で申告する人がいます。

納税者のために、相続税が可能な限り少なくなる申告をしたにもかかわらず、後日、税務調査で指摘があり、認められなければ追徴課税が発生してしまいます。
修正申告の手間だけならまだしも、これに対して損害賠償請求まで受けたら、税理士は正直たまったものではないでしょう。

財産調査が不十分であっても、実際の評価額より高い金額で申告しておけば追徴課税は発生しません。このような申告をする税理士は実際に存在します。

1-3.税理士代行サービス

相続税申告に自信がない税理士がいる証拠として、相続税に強い税理士が黒子となって代行をしてくれるサービスが存在します。申告の下請けということです。

申告の全部から一部まで代行メニューがあり、税理士署名は元請け税理士が行えるので、申告自体は元請け税理士が行ったようになります。また、元請け税理士自身が作成した申告書を確認してくれるサービスもあり、需要があるということに驚きます。

依頼者からの報酬は、元請けと下請けの税理士両者が貰うようになるので、間に入る元請け税理士を通す分、費用も時間も余計にかかってしまいます。 依頼者としては、このような元請け税理士は避けた方が良いのは間違いありません。

ただ、依頼者にとって相続税は一生に何度も発生しない申告であり、馴染みがありません。更に、「代行サービスを使っています。」と公言する税理士もいないでしょうから、判断が難しいところです。

1-4.税理士資格を持たないスタッフが対応することも

税理士に相続税申告を依頼しても、その最初から最後まですべてを税理士が処理してくれるとは限りません。
税理士事務所によっては、税理士資格を持たないスタッフや、税金に詳しい大学生や大学院生が処理するケースもあります。

税理士以外が処理をしたとしても、あとからそのすべてを税理士が確認すれば問題ないのですが、あまり確認もせずに税理士署名だけササっとして申告してしまうと、申告内容に誤りがある可能性が高くなり、後々追徴課税が発生する恐れがあります。

1-5.相続税に強い税理士に直接相談すべき

税理士以上、相続税に関しては税理士によって大きな差があることが分かりました。
相続税を納めて、高い税理士報酬を支払ったあと追徴課税が生じてしまっては、依頼者の金銭的負担はもちろんのこと、税務調査期間中には自分のことを調査されているという精神的負担もあります。

相続税に詳しい、経験豊富な税理士を探しましょう。事項で、そのような税理士を選ぶポイントについて解説していきます。

2.税理士を選ぶポイント

相続税に強い税理士はどのように見つけたら良いのでしょうか。そのポイントを解説します。

2-1.実績があるかどうか

その税理士に相続税申告の実績がどれだけあるかが重要です。相続税の節税策や税務調査への対応力は、その税理士の経験値に左右されるといっても過言ではないからです。

広告や税理士事務所のホームページなどに、「相続専門税理士」や「相続税はお任せください。」などと記載されているからといって、必ずしも相続税に強い税理士ではありません。 単に相談を受けただけで、財産評価計算や申告書作成の経験はあまりない場合もあります。

具体的には、税理士1人に対して年間50件以上の申告を行っている事務所であれば、相続税に強いといえるでしょう。中には年間100件以上こなす税理士もおり、このような税理士に依頼できると心強いです。

広告を鵜呑みにするのではなく、その税理士が持っている実績を直接聞いてみて比較しましょう。

2-2.費用が明確かどうか

税理士報酬が明確に定められているかも重要です。
実績のある税理士であれば、経験をもとにして制度の高い見積もりを出すことができます。反対に相続税に疎い税理士は、相続の概要を聞いただけでは漠然とした見積もりしか出せず、申告後に膨大な報酬を請求される可能性があります。

相続税申告にかかる税理士報酬の一般的な目安は遺産総額の0.5~1%程度なので、サービス以上の報酬を取られないように、依頼する前にきちんと確認することが重要です。

また、報酬が安いからという理由だけで税理士を選んではいけません。安いのには理由があります。業務の質が悪いなど、報酬を安くしないと仕事がこないのかもしれません。

上項「1-2.責任回避のために高めに申告することも」で解説した通り、納税者側に立った節税意識の高い申告書を作成して貰えず、相続税が高額になってしまっては、税理士報酬が安い意味がありません。

反対に税理士報酬が多少高額であったとしても、相続税を大きく節税してもらえるのであれば、こちらの方がお得になります。
税理士報酬と相続税額を合計して、総合的に判断しましょう。

2-3.クライアントの味方になってくれる税理士か

税理士は国と納税者の間に入って、適正な納税義務の実現を図ることを使命とされています。 要するに、税金に詳しくない納税者が不利にならないように、公正な立場から助けてあげなければならないのです。

しかし中には、課税庁側に有利なように業務をする税理士もいます。
課税庁側は税務調査を行って納税者を調べることができますが、専門知識のない納税者は自分に不利な申告をされていることに気付きにくく、損をする一方となってしまいます。

クライアントを第一に考えて業務をする税理士を探しましょう。 一概にはいえませんが、課税庁側に立つ税理士に多いのは、能力のない税理士や税務署上がりの税理士などです。

能力のない税理士は、すでに述べたとおり、後々の追徴課税を恐れて無難に高めの相続税で申告するため、課税庁側に立っているといえます。

税務署上がりの税理士とは、国税OB税理士や税務署OB税理士とも呼ばれ、次のような税理士試験で5科目合格して税理士になった人ではなく、税務署での実務経験があることで税理士になった人をいいます。

  • 税務署に10年または15年以上勤務した実務経験があることで税理士試験の一部が免除され、そのうえで税理士試験に合格した人
  • 税務署に23年または28年以上勤務した実務経験により、税理士試験が免除されて税理士登録した人

なぜ税務署上がりの税理士が課税庁側なのかというと、税務署の職員はもちろん課税庁側の人なので、税理士になっても以前のその感覚が抜けきれない人がいるからです。

また税務署の内情を知っている分、この節税方法は目を付けられやすい、税務調査が入りやすいなど考えてしまい、クライアント第一の選択ができない場合が考えられます。

自分が試験合格による税理士なのか、税務署上がりの税理士なのかということをわざわざ公表している税理士はあまりいないでしょうから、直接聞いてみましょう。

2-4.OB税理士は税務署に顔が利く!?

前節で、OB税理士は、税務署側の立場になりやすいことを述べましたが、実は、逆にクライアントに有利に図らってくれるケースも存在します。

これは筆者の税理士事務所の勤務経験からの話です。個人的な意見であることを前置きします。

税務署上がりの税理士にとって税務署は古巣であり、顔なじみの職員も多いはずです。更に、税務署の勤務年数によって税理士になれるのであれば、税理士になるころには多くの部下を抱えている年齢になっています。
それがどういうことに繋がるのかというと、税務署から何かお尋ねがあった場合などに、融通を利かすことができるようなのです。

OB税理士の事務所に税務署から、クライアント先の税務調査の電話連絡がありました。税理士事務所が1年で最も忙しい2月のことでした。
税理士の先生はひと言、「今忙しいから税務調査なんてやめて下さいよ。」と言いました。すると本当に延期されたのです。

税理士試験合格の税理士事務所では、問答無用に繁忙期でも税務調査はありましたし、税理士の先生から税務署に対して、そのような発言は聞いたことがありませんでした。

OB税理士だからといって、不正な申告が見逃されることはあり得ないでしょうが、多少の融通が利くことはあるようです。

2-5.税理士との相性

税理士色々ポイントを述べましたが、税理士とのフィーリングも重要です。
相続税は財産状況はもちろんのこと、家族構成や関係性などデリケートな部分まで話さなくてはいけない場合や、遺産分割協議で揉めた場合などに、税理士に間に入って貰う場合などあります。

相続税申告において、税理士と納税者の関係は意外と密なのです。 実際に会って話してみて、この人になら何でも話せる、信頼できると思える税理士を見つけましょう。

3.よくある質問

3-1.どのくらいの費用がかかるのか

相続税申告の税理士報酬は一般的に遺産総額の0.5~1%程度で、平均どのくらいの費用がかかるとは一概にはいえません。財産内容や相続人種別によっても異なるからです。

参考までに、一般的な金額と事例の税理士報酬を計算してみます。

  • 遺産総額:1億円(現金・自宅・非上場株式)
  • 相続人:妻と子2人

【A事務所】
遺産総額1億円に対する報酬
585,000円
加算額
土地 72,000円
非上場株式 90,000円
相続人が複数の場合 117,000円

585,000円+(72,000円+90,000円+117,000円)=864,000円

遺産総額に対する報酬の割合…8.64%

【B事務所】
遺産総額1億円に対する報酬
650,000円
加算額
土地 60,000円
非上場株式 150,000円
相続人が複数の場合 130,000円

650,000円+(60,000円+150,000円+130,000円)=990,000円

遺産総額に対する報酬の割合…9.9%

【C事務所】
遺産総額1億円に対する報酬
500,000円
加算額
土地 50,000円
非上場株式 150,000円
相続人が複数の場合 100,000円

500,000円+(50,000円+150,000円+100,000円)=800,000円

遺産総額に対する報酬の割合…8%

以上、料金表を公表していた税理士事務所の中から3社を取り上げて比較してみました。
多くの事務所で、基本料金+加算料金というシステムを採用しており、単価が少しずつ異なっていました。 遺産総額に対する報酬の割合としては、一般的な0.5~1%に3社すべてが入っています。

注意しなければならないのは、事務所ごとに基本料金に含まれているサービスが違う点です。
自宅に小規模宅地等の特例の適用を受ける場合や、その他の特例適用、遺産分割協議書作成など、別途料金がかかるサービスもあります。

気になる税理士には、実際に見積もりを取ってみて予算に合うかどうか検討しましょう。相続税申告は1人1人内容が違うということを忘れないでください。

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3-2.どのくらいの期間がかかるのか

相続税の申告と納税は、相続開始日の翌日から10ヶ月以内に行わなくてはいけません。
この間であれば早くても遅くても関係なく、どちらかというと期限が近づいてから申告をする税理士が多いようです。

理由は、遺産が後から出てくることがあるからです。
申告をした後に被相続人のタンスから500万円出てきたとなると、申告書を修正して再提出しなければなりませんし、納税まで済んでいたら追加で納める必要もあります。

税理士に依頼する時期としては、相続開始から2ヶ月以内には依頼したいところです。

相続放棄は相続開始から3ヶ月以内に手続きを行わなくてはならないからです。その他の場合であっても相続税の計算には時間がかかるので、最低でも申告期限の3ヶ月前までには依頼するようにしましょう。

様々な事情で依頼が申告期限ぎりぎりになった場合には、いったん、概算での申告書を期限内に提出して、その後修正申告を行うという方法もあります。

税理士への依頼は早いに越したことはありません。生前から相談することができれば相続税の節税相談にものってもらえます。

3-3.税理士費用は控除できるのか

相続申告のためにかかった税理士費用は、控除することはできません

相続税の計算には、被相続人の債務を遺産総額から差し引くことができる債務控除という制度があります。 債務控除できるものは、相続開始時に債務として確実であるものに限られます。
(例外として葬儀費用は債務控除できます。)

よって、相続税申告のためにかかった税理士費用は、本来相続人が自分で負担すべきものと考えられます。

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まとめ

相続税は税理士によって大きく申告内容が変わってしまうことが分かりました。
もしあなたに顧問税理士がいるとしても、相続に関しては別と考えてください。

税理士を選ぶための最重要ポイントを再度あげておきます。

  • 相続税申告の実績があるか
  • 費用が明確かどうか
  • クライアントの見方になってくる税理士か
  • 相性が合うかどうか

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  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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