【2020年】相続税の課税割合ランキング、課税件数と申告件数

相続税 課税割合

2020年(令和2年)都道府県別の相続税申告データ(※)(課税件数、申告件数)が各国税局より発表されました。
2019年(令和元年)より、全体的に課税割合が増えています。

※令和2年中に発生した相続について、令和3年10月31日までに申告又は処理(更正、決定等)された内容です。

1.【都道府県別】課税割合・課税件数

課税割合ランキング

相続税課税割合の都道府県別の順位表を掲載します。
(課税割合=課税件数(課税された被相続人数)÷死亡者数)

順位都道府県課税割合順位都道府県課税割合順位都道府県課税割合
1東京17.03%17石川7.68%33高知5.29%
2愛知14.31%18福井7.40%34福島5.26%
3神奈川13.46%19岡山7.23%35鳥取4.97%
4埼玉10.41%20三重7.15%36島根4.72%
5京都10.09%21長野7.15%37熊本4.65%
6静岡9.93%22和歌山7.09%38大分4.42%
7奈良9.72%23徳島6.98%39佐賀4.41%
8兵庫9.11%24山梨6.94%40北海道4.39%
9広島8.95%25栃木6.84%41岩手4.35%
10千葉8.92%26沖縄6.67%42山形4.18%
11岐阜8.90%27愛媛6.65%43長崎3.71%
12大阪8.83%28山口6.56%44鹿児島3.60%
13香川8.72%29茨城6.33%45宮崎3.29%
14富山7.92%30福岡6.23%46青森2.97%
15群馬7.88%31宮城6.17%47秋田2.51%
16滋賀7.75%32新潟5.86% 平均8.77%

東京圏の課税割合が圧倒的に高く、1位:東京 17.03%、3位:神奈川 13.46%、4位:埼玉 10.41%、10位:千葉 8.92%とランキングをほぼ独占しています。

次は、東海圏がランキングインしており、2位:愛知 14.31%、6位:静岡 9.93%、11位:岐阜 8.90%と続いています。

次いで大阪圏で、5位:京都 10.09%、7位:奈良 9.72%、8位:兵庫 9.11%という状況ですが、大阪府 8.83%は12位であり、周辺県のほうが課税割合が高い状況です。

2019年(令和元年度)では、9位:千葉、10位:広島という順位でしたが、千葉と広島の順位が逆転しました。

特筆すべきは、13位:香川 8.72%、14位:富山 7.92%、17位:石川 7.68%、18位:福井 7.40%でしょうか。
香川県は大阪圏から近いということもあり、その影響が波及している可能性があります。
また、富山県、石川県、福井県などの北陸地方は大都市圏から離れていますが、課税される人が多いという特徴があります。

課税割合別の日本地図を作成しましたので、こちらも合わせてご覧ください。
(クリックすると拡大します。または、画像をダウンロードしていただくと、大きいサイズで閲覧可能です。)

相続税 課税割合

課税件数、課税割合の詳細情報

課税件数(課税された被相続人数)、死亡者数、課税割合の詳細な表を掲載します。
参考として、2019年(令和元年)の課税割合と増減値も付与しました。

都道府県被相続人の数死亡者数課税割合順位【参考】
2019年
課税割合
【参考】
増減
北海道2,85865,0784.39%404.10%0.29
青森53217,9052.97%462.86%0.11
岩手74817,2044.35%414.11%0.24
宮城1,52124,6326.17%315.74%0.43
秋田38615,3792.51%472.64%-0.13
山形64115,3484.18%424.09%0.09
福島1,28924,5155.26%344.91%0.35
茨城2,08632,9316.33%296.02%0.31
栃木1,48521,7026.84%256.40%0.44
群馬1,83523,2867.88%157.66%0.22
埼玉7,36470,75810.41%410.12%0.29
千葉5,54362,1188.92%108.50%0.42
東京20,647121,21917.03%116.25%0.78
神奈川11,38884,60113.46%312.60%0.86
新潟1,72729,4555.86%325.77%0.09
富山1,02812,9817.92%147.19%0.73
石川97712,7217.68%177.46%0.22
福井6879,2867.40%187.11%0.29
山梨6809,7966.94%246.43%0.51
長野1,81725,4287.15%216.58%0.57
岐阜2,02222,7208.90%118.43%0.47
静岡4,19142,1919.93%69.58%0.35
愛知10,08870,51814.31%213.93%0.38
三重1,48120,7167.15%207.27%-0.12
滋賀1,01013,0397.75%167.72%0.03
京都2,71026,86010.09%59.59%0.50
大阪8,08991,6448.83%128.40%0.43
兵庫5,34158,6549.11%88.67%0.44
奈良1,42614,6789.72%79.18%0.54
和歌山89412,6107.09%226.81%0.28
鳥取3537,0964.97%355.04%-0.07
島根4529,5854.72%364.59%0.13
岡山1,57521,7887.23%197.26%-0.03
広島2,70730,2448.95%98.45%0.50
山口1,21318,4776.56%286.07%0.49
徳島6909,8866.98%237.22%-0.24
香川1,06212,1838.72%138.22%0.50
愛媛1,19918,0366.65%276.52%0.13
高知5299,9985.29%335.10%0.19
福岡3,32053,2736.23%305.88%0.35
佐賀4399,9634.41%393.76%0.65
長崎65417,6463.71%433.37%0.34
熊本98321,1564.65%374.05%0.60
大分63814,4444.42%384.29%0.13
宮崎46514,1403.29%453.65%-0.36
鹿児島77521,5013.60%443.52%0.08
沖縄82712,3906.67%266.47%0.20
全国120,3721,372,7558.77% 8.35%0.42

2019年(令和元年)から2020年(令和2年)にかけては、全国的に課税割合が増加しており、全国平均も8.35%→8.77%にやや大きく増加しました。

2015年(平成27年)の相続税改正で課税割合が大幅に増加し、その後も2018年(平成30年)までは、課税割合が少しずつ高まり、2019年(令和元年)になって少し減少したのですが、2020年(令和2年)は、再度増加しました。

2020年の路線価は伸びていること、また、コロナ禍での給付金や自粛で、家計の金融資産が増加していることが原因です。

一方で、課税割合がやや減少した地域もあり、秋田、三重、鳥取、島根、岡山、徳島、宮崎が該当します。

相続税 課税割合【出典】国税庁:令和3年分 相続税申告の概要

なお、2021年(令和3年)は課税割合が9.3%と大幅に増加しました。まだ、都道府県別のデータが発表されていませんので、発表されしだい、最新情報をお届けします。

2.【都道府県別】申告割合・申告件数

全国では、対象の被相続人数:153,023人、申告割合(申告件数(申告した被相続人数)÷死亡者数)は11.15%と、亡くなられた方のほぼ10人に1人に相続税申告が発生しています。
このうち、相続税を納税した割合は8.77%であり、亡くなられた方の約2%は申告は必要であったが、配偶者控除や、小規模宅地等の特例などの適用などにより相続税がゼロになっていると考えられます。

【関連】相続税がゼロでも申告不要とは限りません!

都道府県申告件数死亡者数申告割合順位
北海道3,43365,0785.28%39
青森63917,9053.57%46
岩手90117,2045.24%41
宮城1,90024,6327.71%31
秋田47315,3793.08%47
山形77415,3485.04%42
福島1,54724,5156.31%33
茨城2,55532,9317.76%28
栃木1,80321,7028.31%24
群馬2,20923,2869.49%15
埼玉9,57870,75813.54%4
千葉7,15362,11811.52%8
東京28,196121,21923.26%1
神奈川15,54784,60118.38%2
新潟2,09229,4557.10%32
富山1,21212,9819.34%16
石川1,16112,7219.13%17
福井8219,2868.84%18
山梨8389,7968.55%21
長野2,18025,4288.57%20
岐阜2,41822,72010.64%12
静岡5,22842,19112.39%6
愛知12,67970,51817.98%3
三重1,76120,7168.50%22
滋賀1,24913,0399.58%14
京都3,43226,86012.78%5
大阪10,05291,64410.97%11
兵庫6,66858,65411.37%9
奈良1,77614,67812.10%7
和歌山1,03312,6108.19%25
鳥取4127,0965.81%35
島根5429,5855.65%37
岡山1,89121,7888.68%19
広島3,32430,24410.99%10
山口1,42718,4777.72%30
徳島8279,8868.37%23
香川1,25912,18310.33%13
愛媛1,45518,0368.07%26
高知6279,9986.27%34
福岡4,13053,2737.75%29
佐賀5259,9635.27%40
長崎77917,6464.41%44
熊本1,21121,1565.72%36
大分77114,4445.34%38
宮崎57114,1404.04%45
鹿児島97021,5014.51%43
沖縄99412,3908.02%27
全国153,0231,372,75511.15% 

東京都では23.26%と、亡くなった人のうちほぼ4人に1人が相続税申告をしているという状況です。

申告割合の都道府県ランキングは課税割合とほぼ同様の順位となっています。

【参考】過去の課税割合ランキング

過去の年度の課税割合ランキングについては、下記のリンクよりご覧ください。

監修
税理士相談Cafe編集部
税理士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続税や相続周りに関する記事を500近く作成(2023年4月時点)。
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