国税庁ホームページでの相続税路線価の見方

★ お気に入りに追加
路線価図 新宿

相続税路線価図の閲覧は相続税と贈与税での土地の評価額の計算には必須となります。

ここでは、手軽に閲覧可能な、国税庁ホームページでの相続税路線価図の見方について解説します。

1.相続税路線価とは

1-1.毎年7月に国税庁より発表

その道路に接している一般的な土地の1㎡当たりの評価額のことをいい、相続税や贈与税を計算する際の土地の財産評価に使用される基準となるものです。
これを使用して評価する方法を路線価方式、路線価がない土地については倍率方式により計算されます。

また、この路線価は常に一定の金額ではありません。その年の路線価は国税庁より毎年7月頃に発表され更新されます。ここで1つ注意が必要なのは、その年の路線価は7月頃まで確認することができないという点です。平成29年2月に相続が発生した場合には、7月まで申告することができません。

1-2.路線価は2種類ある!4つの違い

「路線価」とだけ表してあるとき、多くの人は今回の題材である相続税路線価を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに一般的には相続税路線価を指す場合が多いでしょう。

しかし、この相続税路線価とは別に固定資産税路線価というものが存在しており、路線価には2種類の意味があるのです。
それでは、両者の異なる点を4つご紹介いたします。

金額を決める機関が違う

固定資産税路線価はその土地所在地の市町村長、相続税路線価は国税庁が決定します。

公示価格との差が違う

路線価は公示価格より一般的には低く設定されています。地域によって多少の差はありますが、公示価格に対して固定資産税路線価は7割程度、相続税路線価は8割程度となっています。

存在している理由が違う

簡単には文字通り、固定資産税路線価は固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税を算出するため、相続税路線価は相続税や贈与税を算出するために存在します。

路線価を調べる方法が違う

固定資産税路線価は、全国地価マップというサイトを利用したり、役所の資産税課へ出向いて固定資産税路線価図を閲覧することにより調べることができます。
相続税路線価は、次でご紹介する通り、国税庁のホームページや最寄り税務署、会計事務所への問い合わせにより調べることができます。

【外部サイト】全国地価マップ

2.相続税路線価はどこで確認できる?

それでは路線価を知りたくなった際には、どこでどのように確認すればよいのでしょうか。以下3つの方法をご紹介いたします。

2-1.国税庁のホームページ

その年の路線価は、国税庁ホームページ上に常に公開されており、誰でも閲覧することができます。インターネットの環境がある人は、この方法により確認するのが最も簡単でしょう。

【外部サイト】国税庁:平成29年度分財産評価基準

2-2.最寄りの税務署

インターネット環境が身近になかったり、パソコンなどの機械操作が不得意な人などは、最寄りの税務署へ直接問い合わせて調べることも出来ます。
税務署には相続税路線価図が置いてあり、その管轄区域内の路線価を無料で閲覧することが出来ます。

2-3.会計事務所への問い合わせ

会計事務所によりますが、相続税に力を入れている事務所などには相続税路線価図を置いている場合があります。
既に税理士に相続の相談をしている人や、相談をしようと思っている人はついでに聞いてみると良いでしょう。

3.相続税路線価図の見方

それでは実際の国税庁ホームページを使って、路線価の見方を順を追って解説いたします。
調べる年度と土地所在地は、平成29年度、東京都中野区中野2丁目11番地としましょう。

(1)まず、インターネットで「国税庁 路線価」と検索し、検索結果として出てきた中から、「財産評価基準書|国税庁」をクリックします。

(2)ページ上部に年度が記載されていますので、確認したい年度である「平成29年分(最新)」をクリックします。

路線価の見方

(3)調べたい土地がある都道府県を指定します。今回は東京都中野区の土地ですので、「東京」をクリックします。

(4)「路線価図」をクリックします。
※参考 倍率方式で使用する評価倍率を知りたい場合には、右側の「一般の土地等用」をクリックします。

(5)ここから実際の住所を検索していきます。まず「中野区」をクリックします。

路線価の見方

(6)次に町名が、あいうえお順に出ていますので、中野2丁目である「中野2」のページ番号「41043」をクリックします。

路線価図のページが複数ある場合、例えば中野1であれば、41039、41043、41044と3つのページがあります。このような場合には、とりあえず最初の41039を開いてみて、見たい地番がなければ戻って、次は41043を開いて探すという方法を取ると良いでしょう。

路線価の見方

(7)地図が表示されますので、中野2丁目11を探します。路線価図には、中野2丁目という表示と単純な①や⑩などの数字が記載されています。この数字は街区番号という意味ですので、⑪を探します。

⑪の土地に接している道路に記載されている数字、「700C」が、東京都中野区中野2丁目11の路線価になります。
路線価図の千円単位で記載されていますので、700は700千円となり、70万円ということになります。

路線価の見方

(8)700の後に記載されている「C」は、借地割合のことです。

路線価の見方

借地権割合とは、その土地が借地である場合に乗じられる割合のことをいいます。
その土地が借地である場合には、当たり前ですが所有権ではなく、借りているという権利になります。よって、所有権としての評価額に借地割合を乗じる必要があります。

借地権割合表は路線価図上部に記載されており、A~Gまで割合が載っていますので、その土地に応じた借地権割合を探します。
今回の場合では、Cの70%ということになります。

4.具体的な計算例:路線価方式による場合

路線価が設定されている土地の場合は、路線価方式で計算します。
路線価と面積を計算の元として、その土地の道路への接し方、奥行の長さ、間口の広さ、その他その土地が持っている様々な条件を含めて計算する方法です。

以下、3パターンの基本的な計算例をご紹介します。
これら以外にも、広過ぎる土地、形がいびつな土地、私道が接している土地など、路線価方式はそれぞれの土地に応じて計算するようになっており、非常に複雑なものとなっています。

それでは上記の見方で解説した、中野区の土地を例に挙げて計算してみましょう。
国税庁の路線価が1㎡当たり70万円で土地面積が100㎡であった場合、単純に計算すると、70万円×100㎡で7,000万円ということになります。
しかし、土地には多種多様な形がありますので、これに奥行価格補正率側方路線影響加算率二方路線影響加算率などを考慮し計算されます。

【関連】宅地の路線価方式の計算

4-1.一路線のみ接道している土地

土地に接している道路が1本しかない場合には、その土地の使いやすさは奥行によって左右されます。このような場合の計算には、奥行価格補正率が乗じられます。
上記の土地が奥行7mであった場合には、

70万円×0.92=64万4千円
64万4千円×200㎡=6,440万円

となります。

奥行価格補正率表(普通住宅地区)
奥行距離(m)奥行価格補正率
4m未満0.90
4m~6m未満0.92
6m~8m未満0.95
8m~10m未満0.97
10m~24m未満1.00
24m~28m未満0.99
28m~(省略)

4-2.角地

一般的に角地と呼ばれる、道路が2本接している土地である場合には、上記の一路線のみの土地に比べて使いやすくなります。このような場合の計算には、側方路線影響加算率が乗じられ、評価額が増します。新興住宅地においても角地は、他の区画に比べて若干高額である場合が多いですが、同じような考え方に基づきます。

2本の道路の路線価をそれぞれ計算して、路線価の高いほうが正面路線価になります。正面でない方の路線価に側方路線影響加算率をかけて、正面路線価に足し合わせます。

側方路線影響加算率は、角地と準角地とに分かれており、2つの方向に抜けられる土地を角地、1つの方向にしか抜けられない土地を準角地といいます。

上記の中野の土地で、もう1つの道路の路線価が50万円、奥行10m、角地であると仮定した場合には、

70万円×0.92=64万4千円
50万円×1=50万円
64万4千円>50万円

よって、正面路線価は70万円になります。

(70万円×0.92)+(50万円×1×0.03)=65万9千円
65万9千円×100㎡=6,590万円

となります。

側方路線影響加算率表(普通住宅地区)
土地の形態側方路線影響加算率
角地0.03
準角地0.02

4-3.表と裏の二方路線に接道している土地

2つの道路に挟まれるように接している土地である場合には、角地の場合と同じ理由から、二方路線影響加算率が乗じられます。
上記中野の土地で、挟まれてる2本の道路のうち、裏道路の路線価が30万円である場合には、

挟まれているということは奥行が同じということなので、正面路線価は大きい方の70万円ということになります。

(70万円×0.92)+(30万円×0.92×0.02)=649,520円
649,520円×100㎡=64,952,000円

となります。

二方路線影響加算率
(普通住宅地区)
0.02

5.路線価がない土地は倍率方式で計算

路線価は、全国にある全ての道路に設定されているものではありません。
全国には物凄い数の道路がある訳ですから、国税庁が田舎の小さな道路まで路線価を設定していくことは大変難しいことです。

このような土地は、倍率方式という方法で評価計算されます。
倍率方式は、その土地の所在地の市町村が計算した固定資産税評価額(※)に国税庁が定めている一定の倍率を乗じて計算します。
この倍率は路線価と同じように、国税庁のホームページで確認できます。

【参部サイト】国税庁:平成29年度分財産評価基準

※固定資産税評価額は、春に送付されてくる固定資産税納税通知書を確認すればすぐに分かります。また、役所で固定資産課税台帳や固定資産評価証明書を取得しても確認することができます。
この場合に使用する固定資産税評価額は、被相続人が死亡した年度のものになりますので注意が必要です。

6.具体的な計算例:倍率方式による場合

倍率方式は非常に単純な計算式となっており、固定資産税評価額×評価倍率で計算されます。
固定資産税評価額5,000万円、評価倍率1.1である場合、
5,000万円×1.1=5,500万円
となります。

7.まとめ

毎年、路線価が発表されるとニュースに取り上げられます。路線価が何かよく知らなくても、見たことがある聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。
マイホームを所有している人は、自分の土地の路線価を調べて評価してみるのも面白いかもしれません。

路線価方式は計算式を見るだけでは簡単なように思いますが、実際の土地は様々な条件が重なっています。
相続税の申告など、間違いが許されない場合などには慎重な計算が必要となります。そのような場合には税理士などの専門家に相談した方が良いでしょう。

相続税に強い税理士が問題を解決いたします

相続税申告は税理士によって力量の差がはっきりと現れます。
相続税について、下記のような不安・課題を抱えている方は、相続税に強い税理士にご相談ください。

  1. 相続税をなるべく安くしたい
  2. 税務調査が怖い
  3. 評価が難しい土地がある
  4. 相続関連のいろいろな手続きが面倒で困っている
  5. 生前対策をしたいが、何をしたら良いかわからない

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、税理士はあなたの味方になりますので、まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

この記事が役に立ったらシェアしてください!

GoogleAdsense関連コンテンツ