東京都23区の公示価格と路線価【2020年(令和2年)】

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2020年1月1日を基準日とした公示価格と路線価が発表になっています。

公示価格は国土交通省が3月に、路線価は国税庁が7月に告示しています。

公示価格は、一般的な土地取引の公的指標として使われ、路線価は、相続税、贈与税の評価に利用されます。

この公示価格や路線価の動向や傾向を見ていくことにより、お持ちの不動産の有効活用や、今後の相続対策に活かすことができます。

今回は、東京23区の公示価格および路線価の実態や傾向を追いながら、その特徴を見ていきます。

1.東京23区の公示価格と路線価の特徴について

東京都だけでなく、日本の経済活動や行政を担っているのが東京23区です。

東京23区の面積は627.57km2(2019年6月1日時点)で、住民基本台帳によると人口の合計は957万人(2020年1月1日時点)です。

同時期の東京都全体は1382万人ですので、東京都のおよそ70%の人が23区に住んでいることになります。

各区では、地域によっては、1つの自治体以上の人口を有しています。

このような東京都23区の土地の公示価格や路線価には、どのような特徴があるのでしょうか?

まずここでは、東京23区の地価の特徴について、ハイレベルで見ていきます。

1-1.公示価格は全ての用地で連続の上昇

土地の公示価格は、国土交通省が、毎年1月1日を評価時点として3月下旬に発表する指標で、一般的な土地取引の公的指標として扱われています。

一方で、路線価は、同じ1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、公示価格等を基にした価格(時価)の80%程度を目途に、国税庁が評価して公示されます。

相続税や贈与税の税額を算定する際に使用される不動産評価額は、この国税庁が発表している路線価を基準にして算出されます。

まず、国土交通省が発表した2020年の公示価格について見ていきます。

東京圏の地域別傾向

ここでは、東京圏の地域別の公示価格の変動率について、傾向を見てみます。

下記の表は、東京圏の地域別対前年平均変動率です。

東京圏の地域別対前年平均変動率(変動率:%)

 住宅地商業地
2019年2020年2019年2020年
全国平均全区域0.60.82.83.1
東京都全区域32.86.87.3
東京都
(地域別)
東京都区部4.84.67.98.5
東京都区部区部都心部66.48.89.6
区部南西部43.76.77
区部北東部5.157.47.7
多摩地域10.82.42.5
神奈川県全区域0.30.42.42.7
埼玉県全区域0.81.11.72.2
千葉県全区域0.70.83.64.1
茨城県全区域△ 0.5△ 0.4△ 0.2△ 0.2
東京圏全区域1.31.44.75.2

※1 区部都心部:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区の各区
※2 区部南西部:品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区の各区
※3 区部北東部:墨田区、江東区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区の各区

全国平均との比較

国土交通省が発表している2020年公示価格変動率について、全国平均と東京都の変動率を比較してみます。

住宅地については、全国平均0.8%に対して、東京圏は1.4%ですが、東京都23区は4.6%(区部都心部6.4%、区部南西部3.7%、区部北東部5%)と、非常に高い変動率を示しています。

一方、多摩地域の住宅地では0.8%と全国平均と同じで、多摩地域でも公示価格自体は上昇していますが、上昇率は東京都23区と比べるとかなり低いのが見て取れます。

商業地についても、全国平均3.1%に対して、東京圏は5.2%ですが、東京都23区は8.5%(区部都心部9.6%、区部南西部7%、区部北東部7.7%)と、非常に高い変動率を示しています

一方、多摩地域では2.5%と、全国平均を下回っています。

商業地については、住宅地以上に、東京23区と多摩地区の差が開いていっています。

東京都区部内の地域別(区部都心部、区部南西部、区部北東部)の比較

東京都区部内は、地域別に見ても、それぞれの地域で、住宅地と商業地の両方について、公示価格の変動率はプラスでかなり高い数字を示しています。

住宅地について、2019年と2020年を上昇率を比較してみると、「区部都心部」では変動率が上昇していますが、それ以外の地区では、上昇率自体は下がっています。

一方、商業地については、全ての地域で変動率が上昇しています。

東京都区部においては、住宅地より商業地の方が、変動率が上昇する傾向が見て取れます。特に、区部都心部ではその傾向が顕著に見られます。商業地への投資、再開発が活発になっているためだと考えられます。

一方、2020年の変動率について東京都区部と多摩地域を比べてみると、住宅地の変動率は、東京都区部4.6%、多摩地域0.8%、また、商業地の変動率は、東京都区部8.5%、多摩地域2.5%とその変動率に大きな違いあります。

この変動率を見る限り、東京都区部と多摩地域の格差が拡大し続けているように思われます。

東京都区部の「区」別の比較

次に、東京都区部の区別の公示価格平均の傾向を見てみます。

下記表は、東京都区部の区別の地域別対前年平均変動率、および、住宅地の平均価格です。

東京都区部の区別の地域別対前年平均変動率、住宅地平均価格(変動率:%)

都県及び市区名住宅地住宅地商業地
2020年2019年2020年2019年2020年
平均価格

(単位:円/㎡)

変動率変動率変動率変動率
都区部平均631,3004.84.67.98.5
千代田区2,771,4002.93.17.77.7
中央区1,300,5004.748.98.3
港区2,009,30066.28.810.1
新宿区803,5005.96.97.88.1
文京区999,60077.388.5
台東区916,3007.26.81114.9
墨田区439,3005.35.58.59.1
江東区480,9005.55.79.79.8
品川区849,3005.85.97.37.2
目黒区951,3004.24.16.36.6
大田区528,2003.33.44.75.8
世田谷区636,2004.23.58.17.6
渋谷区1,311,5005.36.198.9
中野区597,0004.74.37.38.5
杉並区541,9004.33.87.98.6
豊島区631,80077.58.99.9
北区531,7007.17.1910.4
荒川区508,9008.68.89.410.1
板橋区433,10055.16.87.2
練馬区394,4003.3354.9
足立区314,2004.75.16.46.5
葛飾区319,7003.32.65.35
江戸川区363,2004.74.15.85.4

東京都区部の平均を黄色でマークしてあります。

住宅地については、変動率が上昇した区は13箇所あり、下落した区は9箇所ありました。

商業地については、変動率が上昇した区は15箇所で、下落した区は7箇所です。

住宅地と商業地ともに、高い変動率を示していますが、住宅地と商業地を比べると、商業地の方が変動率が高く、土地の価格上昇が大きいと読み取れます。

こうした土地価格の上昇は、インバウンド効果(訪日外国人客の増加)による需要上昇、都市開発などによる影響で不動産売買が活発化した結果が関係していると考えられています。

各区を個別に見ますと、2020年の住宅地価が最も高かったのが千代田区2,771,400円/㎡で、最も低かったのが足立区314,200円/㎡です。

また、2020年の変動率の上昇が最も大きかったのは、以下の区です。

  • 住宅地:荒川区8.8%
  • 商業地:台東区14.9%

逆に、2020年変動率の上昇が最も小さかったのは、以下の区となっています。

  • 住宅地:葛飾区2.6%
  • 商業地:練馬区4.9%

1-2.前年を上回る上昇率を記録した路線価

相続税や贈与税の税額を算定する際に使用される不動産評価額。その基準値となっているのが、国税庁が発表している路線価です。

令和2年分の「標準宅地の対前年度変動率」の「全国平均」と「東京都平均」は次のようになります。

 2019年2020年
全国平均1.30%1.60%
東京都平均4.90%5.00%

2020年の路線価の全国平均の変動率は1.6%ですが、東京都全体の平均は5.0%と高い上昇率を示しています。

しかし、変動率自体については、2019年の東京都全体の平均は4.9%でしたが、2020年は上昇自体は0.1%にとどまっています。

ちなみに、2020年度路線価の変動率の一番は沖縄県10.5%で、東京都の5.0%は2番でした。

沖縄の変動率が非常に高いのは、インバウンド効果(訪日外国人効果)で宿泊施設やリゾート施設の需要が伸びた影響が路線価にも現れているものと思われます。

2.東京23区の地域事情と地価について

ここでは、東京23区の各区の地価の特徴を、特に住居地についてに見ていきます。

前記の表「東京都区部の区別の地域別対前年平均変動率、住宅地平均価格」を参照ください。

東京23区の住宅地の平均公示価格は、631,300円/㎡です。

区ごとに見ますと、100万円以上は、千代田区、中央区、港区、渋谷区の4区で、40万円以下は、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区の4区です。

地域によってさまざまな機能や利便性を発揮するからこそ土地の活用法が異なり、全国トップの地価を誇る東京都です。

主要地域である23区それぞれの地域の特徴や地価を一つずつ解説していきますので、それぞれの地域事情をしっかりと把握していきましょう。

2-1.千代田区

永田町や霞ヶ関を中心にさまざまな首都機能が集積しており、日本の政治、行政、司法の中心地です。

また、丸の内や大手町といったオフィス街には国内の主要企業が集まっており、経済においても重要な地域です。

千代田区はビジネスや行政などの中心地なのですが、一方で住宅地としても人気の地域です。

千代田区の住宅地価平均は2,771,400円/㎡で、23区内で一番高い価格となっています。

変動率は、前年比3.1%の上昇を見せていますが、都区部平均4.6%と比べると変動率は高くありません。

千代田区は、すでに一番高い価格となっていますので、その伸びが鈍っているものと考えられます。

2-2.中央区

日本橋・銀座など商業の中心地として発展しており、東京の重要な商業地です。大型商業施設やショッピングビルなどが多く建設されています。

また、商業地であると同時に、東京でも有数のオフィス街でもあります。

さらに、駅周辺や商業地帯の中には高層マンションも建設されており、生活拠点としても利便性が高い地域です。

中央区の住宅地価平均は1,300,500円/㎡で、23区内で4番目に高い価格となっています。前年比4%の上昇です。

2-3.港区

新聞社や放送局などのマスコミやIT企業、および、駐日大使館や外資系企業の日本支店が多数立地しており、日本政治や経済の中心の一端を担っています。

虎ノ門や新橋、芝、港南などはオフィス街、青山、赤坂、六本木、お台場などは商業エリア、麻布や白金台などは高級住宅街、といったように様々な表情を持ちます。

また、東京都23区では、一人当たりの所得が一番高い区と言われています。

港区の住宅地価平均は2,009,300円/㎡で、23区内で2番目に高い価格となっています。

すでに住宅地価が2番めに高い港区ですが、変動率も6.2%と高い上昇率を示しています。

需要が大きく、今も高い割合で成長を続けている区の一つと言えます。

2-4.新宿区

東京都庁が建設されており、都の行政の中心地です。

ファッションショップなどが多く、歌舞伎町という日本でも有数の繁華街があることから若者も多く集まる商業地でもあります。

新宿区の住宅地価平均は803,500円/㎡で、前年から6.9%上昇しています。変動率は23区内で5番目に高い地域です。

地価は、千代田区や港区と比べて低いですが、変動率が比較的高く、人気のある地域であることがわかります。

2-5.文京区

東京都の中で商業施設やオフィスビルなどが少なく、大学が多い文教地区と住宅地が多くを占ます。

歴史ある日本庭園が今でも残っていることから、全体的に落ち着いた閑静な住宅街といった特徴の地域です。

文京区の住宅地価平均は999,600円/㎡で、前年から7.3%上昇しています。

文京区は住宅地として地域の大半が利用されているため、比較的地価は高く、地価の変動率も高くなっています。住宅地価は23区内で5番目に高く、変動率も23区内で3番目に高い地域です。

2-6.台東区

全般的に商業地であるため、純粋な住宅地は一部で供給量も少なく、住宅街の規模はあまり広くありません。

戸建も一部地域を除くと少なく、オフィスビルやマンションなど土地の高度利用が進んでいます。

また、浅草や上野など長い歴史と文化が残っており、近年は外国人旅行客からも人気の高い地域です。

台東区の住宅地価平均は916,300円、前年からは6.8%上昇しています。台東区は観光やビジネスなど、さまざまな目的で多くの人が集まります。そのため、駅周辺を中心として地価が高額になりやすくなっています。

2-7.墨田区

東京スカイツリーや両国国技館、錦糸町などさまざまな魅力が集中しています。

日本を代表する観光地であるため、観光客向けの飲食店などが多く建設されています。特に、ここ数年の外国人旅行客の増加によって、1年を通して非常に多くの人で賑わっています。

観光と防災都市のシンボルにし、世界一の観光都市を目指していると言われています。

墨田区の住宅地価平均は439,300円、前年から5.5%上昇しています。

2-8.江東区

東京湾に面しており、東京ビッグサイト(東京国際展示場)のある江東区です。

区の内部は、住宅街や工業地域として利用されて来ました。

また、区の臨海部には副都心や大規模なマンション、医療・福祉施設の建設が続々と行われており、急激な人口増加が起きています。

江東区の地価平均は480,900円/㎡で、前年より5.7%上昇しています。

2-9.品川区

さまざまな企業の本社が在籍するだけでなく、複合商業施設も数多く建設されており、ビジネス地や商業地として大きく発展している地域です。

さらに、駅から離れると住宅街が形成されており、品川区だけでいくつもの役割を果たしています。

品川区の地価平均は849,300万円、前年から5.9%上昇しています。

2-10.目黒区

多くの企業の本社が集まるビジネス地でもあるのですが、住宅地として大きく発展しています。

さらに、大学のキャンパスがいくつかあることから、昼夜人口の差にあまり差がなく、ビジネス地と住宅地、2つの特徴がしっかりと融合している地域です。

もともと人気の地域だった目黒区ですが2000年ごろから始まった再開発により利便性や居住性がアップしました。

目黒区の地価平均は951,300円、前年から4.1%上昇しています。

2-11.大田区

23区の中で最も都心から離れている大田区です。

区の東部には羽田空港が建設されており、東京都の空の玄関口として機能しています。ここ数年人口が増加傾向にあり、特に世帯数は急増しているため、単身世帯よりもファミリー世帯からの人気が急上昇している地域です。

大田区は全域が市街地として整備されており、駅周辺ばビジネス地、商業地として活用され、その他の地域では住宅地として利用されています。この土地活用のバランスや、都心部から離れていても手軽に移動できる交通の利便性の高さが、ファミリー層を中心とした人気となり需要や地価の上昇に繋がっていると考えられます。

大田区の住宅地価平均は528,200円/㎡、前年より3.4%上昇しています。

2-12.世田谷区

90万人以上の人口を抱えており、東京都で最も多い人口を有している世田谷区です。区のほとんどが住宅地として利用されており、都心部へのアクセスも簡単なことから、ベッドタウンとしての機能が強く現在でも人口は増加傾向にあります。

世田谷区の住宅地価平均は636,200円/㎡で、前年と比べて3.5%上昇しています。世田谷区は全国的に高級住宅街として知られていますが、多くの大学が建設されていることから、学生などの若者世代も多く暮らしています。ですので、一軒家だけでなくマンションやアパートなどの需要が高く、高所得者と若者の二極化が現れている地域であるとも考えられます。

2-13.渋谷区

若者が多く集まり、ファッションや流行の最先端の街であるのが渋谷区です。渋谷の他にも恵比寿や原宿、表参道など若者をターゲットにした新しい商店が多く集まっています。常に新しいお店が増える一方で多くのお店がなくなっており、商業の点から見ると長期間の経営が難しい激戦区になっています。

渋谷区の住宅地価平均は1,311,500円/㎡で、23区内で3番目に高い価格となっています。

前年度よりも6.1%上昇しており、比較的高い上昇率を示しています。

渋谷区は商業施設の他にもオフィスビルが立ち並ぶビジネス地という側面がありますが、実は住宅地も存在しています。ただ、繁華街の地価の影響を受けているため、住宅地であっても地価は非常に高額で、住宅街のある代々木上原などは高級住宅地として知られています。

2-14.中野区

サブカルチャーの街として幅広い層から人気を集めている中野区です。渋谷区や新宿区といった都市部と隣接しており、各地域への交通機関も整備されていることから、非常に利便性の高い街となっています。そのため、ビジネスにも生活拠点にも、どんな用途でも利用しやすい環境が揃っている人気地域です。

中野区の住宅地価平均は597,000円/㎡、前年から4.3%の上昇を見せています。中野区は立地の良さを活かした商業地と住宅地が融合した地域となっており、それぞれの人気が区全体の地価にも影響を与えています。

2-15.杉並区

杉並区は豊かな自然を有しており、住宅地として発展を続けてきました。そのため、商業施設などは少なく、区の大半が住宅地として利用されており、閑静な住宅街が広く形成されています。

杉並区の住宅地価平均は541,900円/㎡で前年よりも3.8%上昇しています。杉並区の地価は住宅地としては高額で、その要因となっているのが中野区や渋谷区といった都心部と隣接していることです。つまり、杉並区はベッドタウンとしての側面が強く、その利便性・機能性の高さから人気があります。

2-16.豊島区

池袋駅を中心とした副都心が形成されている豊島区です。区内にはサンシャインシティなどの超高ビルがいくつも建設されており、ビジネス街として発展してきました。そして、今後もこうした高層ビルの建設が予定されており、ますます多くの人で賑わうことが予想されます。

豊島区の住宅地価平均は631,800円/㎡、前年より7.5%上昇しています。豊島区にはビル群を要するビジネス街が形成されていますが、新宿などの都市分に近いことから住宅地としても需要が高まっています。特に目白などは高級住宅街としても有名で、ビジネス地、住宅地、両方の人気の高さが地価の上昇に繋がっています。

変動率は23区内で2番目に高い地域です。

2-17.北区

工業が盛んに行われており、特に印刷や出版企業、食品関係の工場などが多い北区です。加えて、街のほとんどは住宅地として利用されており、工場の周辺などを中心に団地も多く建設されています。

北区の住宅地価平均は531,700円/㎡、前年より7.1%上昇しています。北区は工業が主の産業ですが、都心部に近いことから駅周辺には商業施設やオフィスビルが建設され、市街地として発展しています。また、この特徴がベッドタウンとしての機能を高めており、こうした要因から人口が増加傾向にあり地価の上昇にも影響していると考えられます。

変動率は23区内で4番目に高い地域です。

2-18.荒川区

繊維の街として発展し、現在でも服飾関係の製品を取り扱う商店が多い荒川区です。ただ、産業として繊維業を扱う工場などが多い、というわけではなく区の大半は住宅地として活用されています。ファッションの街ではあるものの、懐かしい風景が残る住宅地として人気を集めています。

荒川区の住宅地価平均は508,900円/㎡、前年からは8.8%上昇しています。日暮里駅などの周辺には商業施設などが建設されていますが、そこまで多いわけではありません。しかし、昼夜の人口の変動が比較的少ないことから、他の区よりも自営業者が多いといえるでしょう。また、都心部に近いだけでなく利便性が高いため、その影響が公示価格の大幅な上昇にも繋がっているのです。

変動率は23区内で一番高い地域です。

2-19.板橋区

製造業が盛んに行われており、町工場などが多くものづくりの街である板橋区です。作られている製品は食品やインク、楽器など多岐に渡り、こうした製品を販売する小売業も重要な区の産業を担っています。

板橋区の住宅地価平均は433,100円/㎡、前年よりも5.1%上昇しています。板橋区は工場が多く、その周辺には工業団地が形成されるなど、区の大半が住宅地として活用されています。さらに、板橋区は都心部にも近く通勤・通学に適した地域です。そのため、区の内部だけで生活が完結できるだけでなく、ベッドタウンとしての機能が加わることが板橋区の地価の上昇に繋がっているの考えられます。

2-20.練馬区

23区の中で最も新しく誕生した練馬区。区内には緑の多い閑静な住宅街が形成されており、世田谷区に次いで23区内で2番目に人口が多い区です。近年新しい鉄道が開通したことなどを受け人口が急増しており、マンションの建設ラッシュが起こっています。

練馬区の住宅地価平均は394,400円/㎡、前年より3%上昇しています。東京都では珍しく農業が現在でも盛んでキャベツや大根などが出荷されています。また、古くから住宅街が形成されていたことから高齢者が多く生活しているのも特徴で、他の地域よりも相続が起こりやすいため十分な対策が必要です。

2-21.足立区

隅田川と荒川に挟まれた特徴的な立地の足立区。街道の宿場町であった千住宿には、時代とともに発展を続け、現在では区の中心駅である北千住駅が建設されました。北千住駅は複数の路線が乗り入れるターミナル駅としても機能しており、駅周辺には区内で最も賑わう繁華街が形成されています。

足立区の住宅地価平均は314,200円/㎡、前年に比べて5.1%上昇しています。足立区は再開発が行われたことで住みやすさが向上し、現在も増加した人口に対応するべく、マンションの建設が急ピッチで進められています。

2-22.葛飾区

下町や人情の街というイメージが非常に強く現れている葛飾区です。実は、都心部へ乗り換え無しで移動が可能という利便性の良さから都内でも有数のベッドタウンとして人気を集めています。区内には昔ながらの住宅街だけでなく、新しい住宅街も形成されており、多くの人の生活を支える街となっています。

葛飾区の住宅地価平均は319,700円/㎡、前年から2.6%上昇しています。ベッドタウンとして機能している他の区よりも地価は低いのですが、この地価の安さが魅力にもなっており、主にファミリー層を中心としたニーズを生み出しています。都心部に近いにもかかわらず、費用を抑えて住宅を購入できる、というメリットが葛飾区に人気が集まる要因になっているのです。

2-23.江戸川区

千葉県と隣接しており、外国人も多く生活している江戸川区です。小松菜の発祥地としても知られており、小松菜を使用した郷土料理が区の名物にもなっています。区内は主に住宅地として利用されており、区民一人あたりの公園面積が23区内で最も広く、緑豊かな住宅街が形成されています。

江戸川区の住宅地価平均は363,200円/㎡、前年と比較して4.1%上昇しています。江戸川区は高齢者が多いのですが、若い世代やファミリー層からの人気が高く、移住者が増え続けています、今後も親子で住みやすい住宅街として需要を伸ばしていくと考えられます。

3.最後に

今回発表された2020年の公示価格や路線価は、2020年1月1日が評価基準日です。

東京23区は、全国平均や他の道府県と比べて、高い地価と高い変動率を示しており、土地の価格は順調に上昇を続けています。

インバウンド効果、都市部の再開発、オリンピック/パラリンピック景気などの影響で地価の上昇が続いていますが、ここに来て、新型コロナウイルス感染拡大により経済が停滞して、今後、土地価格にも影響が出る可能性があります。

路線価については、国税庁が今後の地価の推移によっては路線価の減額修正を導入する方針と言われています。

どちらにしても、国税庁や国土交通省からの発表に目が離せません。


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