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2021年7月1日に、2020年1月1日時点における路線価が国税庁より発表されました。
全国において新型コロナウイルスの影響を大きく受けた今回の路線価ですが、今回は名古屋市に焦点を当てて、16区ごとの動向を詳しく解説していきます。
目次
公示価格とは一般的な土地取引を行う際に指標となる金額、路線価とは相続税や贈与税の計算の基準になる金額であり、国税庁が公示価格の8割程度の金額に設定します。
昨年と比べた愛知県内の変動率の平均値は1.1%減となっており、9年ぶりの下落となりました。
特に繁華街や観光地を抱えるエリアの下落幅が大きくなっていますが、一方で住宅地については新型コロナウイルスの影響は小さく、下落幅は小幅となっています。
例年であれば、三大都市圏である名古屋市は愛知県の平均値を底上げしてきましたが、名古屋市の繁華街を中心とした商業地は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けて大幅に下落したことに伴って、反対に愛知県の平均値を下げる結果となっています。特に名古屋市の栄と金山の下落率は6%を超える結果となりました。
名古屋市で最も路線価が高かったのは、名古屋市中村区名駅1丁目の名駅通りで1平方メートル当たり1232万円となり、愛知県でも最高となっています。
しかしながら、変動率を見てみると去年より1.3%減と11年ぶりの下落となっています。
名古屋市全体における公示価格と路線価の平均値は次の通りです。
去年までの全体的な上昇から一転して全体的に下落しており、特に商業地の下落が目立ちます。新型コロナウイルスの影響によって繁華街などの商業地の利用が控えられ、地価にも影響していることが分かります。
しかし、去年までの上昇が大きかったという面もあり、上昇した山の上で一旦停止している状態といえるでしょう。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 187,300 | 937,100 | 87,900 |
路線価 | 152,000 | 731,000 | 70,000 | |
変動率 | -0.8% | -2.1% | -0.3% |
【出典】名古屋市HP
千種区は名古屋市の中で5番目に人口が多い区で、西部と北部に商業地区、中心部に文教地区があり、都会の華やかさと住みやすさを兼ね備えたエリアとして、家族世帯に人気です。
特に商業地は、去年は7%弱の上昇となっていましたが、今年は名古屋市の平均並みに下落しています。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 248,000 | 443,200 | - |
路線価 | 201,000 | 352,000 | - | |
変動率 | -0.4% | -1.6% | - |
東区の面積は7.70平方キロメートルと、名古屋市の中で最も小さい区でありながら、7万5000人が暮らし、人口密度は名古屋市の区では最も高くなっています。
南西部には大手企業の本社や支社が立ち並んでおり、都心的な役割を果たしています。
電車は6路線が運行しており、基幹バスレーンもありるためバスの本数も多く、交通手段には困りません。近年では人口増加に合わせて大規模な住宅開発が進んでいます。
名古屋市内でもかなり上昇しているエリアでしたが、新型コロナウイルスの影響によって上昇が一旦ストップしています。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 418,200 | 878,200 | - |
路線価 | 343,000 | 703,000 | - | |
変動率 | -0.1% | -1.2% | - |
北区は、JR中央本線やTKJ城北線、名鉄瀬戸線と小牧線、市営地下鉄名城線と上飯田線が通り、幹線道路も張り巡らされているためアクセスが良く、「北の玄関口」と称されるほど便利な町です。
工場地帯の跡地にマンションや公営住宅が立ち並び、ベッドタウンとして住宅がメインとなっています。
例年は小幅な上昇でしたが、今年は新型コロナウイルスの影響によって小幅な下落となりました。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 165,800 | 227,800 | - |
路線価 | 131,000 | 187,000 | - | |
変動率 | -0.5% | -1.0% | - |
西区は名古屋駅がほど近く、地下鉄鶴舞線と名鉄犬山線が通り、高速道路のICもあるため、交通網に不便がありません。
買い物やビジネス、他県へのアクセスなど不便のない日常生活を送ることができるエリアで、新興住宅地となっています。
名古屋駅の周辺をはじめとして、全体的に上昇傾向が強いエリアでしたが、その分、新型コロナウイルスの影響を受け、名古屋市の平均値以上の下落幅となっています。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 175,800 | 360,800 | 83,200 |
路線価 | 141,000 | 280,000 | 67,000 | |
変動率 | -1.2% | -2.6% | -1.0% |
中村区は名古屋市の中心部である中区の隣にあり、名古屋駅西口周辺では中区の栄地区とともに大規模商圏を形成しています。愛知県で最も路線価が高かった名駅通りは、この中村区にあります。
名古屋駅の周辺には数多くの企業や金融機関などの高層ビルが集まり、近年は超高層ビルが次々と建設されており、地価を押し上げていましたが、新型コロナウイルスの影響を受け商業地は大きく下落しました。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 178,700 | 2,625,900 | - |
路線価 | 146,000 | 2,050,000 | - | |
変動率 | -0.2% | -2.9% | - |
中区は名古屋市の中央部に位置し、市役所や県庁、金融機関、商業施設など、経済の中枢機能が集結しているため、名古屋市だけではなく中部圏全体において重要な役割を担っているエリアです。名古屋のシンボルである名古屋城があるのも中区です。
中区にある栄地区と金山地区は、大規模な百貨店やショッピングモールなど数多くの商業施設が集中しているため、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、このエリアの下落率は6%を超えてしまいました。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 849,600 | 1,727,200 | 202,000 |
路線価 | 680,000 | 1,380,000 | 162,000 | |
変動率 | 0.1% | -2.8% | 0.0% |
昭和区は中部地方有数の文教地区であり、名古屋大学医学部、名古屋工業大学、中京大学、南山大学など高等教育機関が密集しています。
その他は区内のほとんどが住宅地となっており、名古屋市の平均を上回る高級住宅地です。
近年は大幅な上昇をしたあと一旦落ち着いていましたが、新型コロナウイルスの影響によって下落に転じた状況です。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 283,800 | 319,900 | - |
路線価 | 233,000 | 255,000 | - | |
変動率 | -1.6% | -2.6% | - |
瑞穂区は昭和区の下に位置しており、数多くの教育機関がある文教地区として昭和区に続いています。
繁華街よりも閑静な住宅街がメインのエリアで、地下鉄をはじめとした交通網や商業施設が充実しており住みやすい環境であるため、家族世帯の需要が高く、住宅地の価格は平均より高くなっています。
地価の変動は落ち着いている地域であり、ほぼ横ばいに近い上昇が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響を受け、元々低い商業地も更に下落しました。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 240,500 | 262,000 | - |
路線価 | 194,000 | 205,000 | - | |
変動率 | -1.5% | -2.6% | - |
熱田区は、熱田神宮がシンボルの自然が豊かな町です。
名古屋市で最も人口の少ないエリアではありますが、近年では分譲マンションなどの新たな物件が次々と建設されており、人口は増加傾向にあります。
熱田区はその全域において上昇傾向が強かったのですが、新型コロナウイルスの影響によって特に商業地である熱田駅周辺の下落は著しいです。住宅地と工業地には、大きな影響はなかったようです。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 205,600 | 466,200 | 167,000 |
路線価 | 164,000 | 373,000 | 134,000 | |
変動率 | -0.1% | -2.8% | 0.0% |
中川区は市西部に位置する人口約22万人の区で、人口が2番目に多いエリアです。
地価が低いためベッドタウンとして人気があり、近年では宅地開発が積極的に行われているため、さらに人気が出ています。
変動は全体的に落ち着いており、ここ数年は微弱な上昇傾向が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響によって下落となりました。工場が多い地域であるため、工場地は名古屋市の平均より影響を受けていますが、住宅地と商業地はへの影響は小さかったといえるでしょう。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 126,700 | 173,000 | 100,800 |
路線価 | 102,000 | 142,000 | 81,000 | |
変動率 | -0.3% | -0.8% | -1.3% |
港区はその名称通り、日本を代表する国際貿易港の1つである名古屋港があるエリアです。
市内最大面積を誇り、広大な面積とウォーターフロントを生かした名古屋港水族館や、レゴランド・ジャパンなど観光産業も盛んで、多くの観光客が訪れます。
土地がとにかく広いため、落ち着いた住宅街の他に田園地帯や工業地域も広がっており、良くも悪くも田舎で、名古屋市の平均地価と比較すると非常に低くなっています。
新型コロナウイルス関係なく、元々、全体的に下落傾向にあったエリアではありますが、商業地が目玉のエリアではあるため、少なからず影響は受けています。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 107,000 | 134,000 | 58,800 |
路線価 | 87,000 | 107,000 | 47,000 | |
変動率 | 0.1% | -0.6% | 0.4% |
南区は港区の東側に位置し、東部は丘陵地帯で閑静な住宅地が広がっています。西部は鉄鋼、金属、化学、機械などの大規模な工業地帯、南部には繁華街「新瑞」を中心とした商業が発展しています。
積極的な開発は行われていないエリアになるため、地価はほぼ停滞に近い上昇傾向でしたが、新型コロナウイルスの影響により若干の下落傾向となりました。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 133,300 | 142,000 | 89,600 |
路線価 | 107,000 | 111,000 | 72,000 | |
変動率 | 0.2% | -0.4% | 0.0% |
守山区は美濃東部や木曽などの山間部に最も近い地域であり、東谷山は名古屋市内で最も標高が高い場所になります。
緑豊かなエリアが多く、公共交通機関や幹線道路の整備も充実しており、地価も低いことから住宅地として人気があり、ほぼ全域に住宅地が広がっています。
田舎であるにもかかわらず、地価は上昇傾向にありましたが、新型コロナウイルスの影響により今年は下落に転じました。住宅地の変動率は名古屋市の平均を上回る下落となっています。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 119,300 | 131,100 | 92,600 |
路線価 | 97,000 | 105,000 | 74,000 | |
変動率 | -1.2% | -1.4% | -0.4% |
緑区は港区に次いで面積が大きく、世帯数と人口数は名古屋市最大です。
2011年に地下鉄桜通線の延伸がなされたことによって、交通の利便性がさらに高まり、各方面へ通勤通学する人のベッドタウンとして発展してきました。
近年は1%前後のほぼ横ばいの状況が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、全体的に名古屋市の平均下落率を上回っています。特に住宅地の下落は顕著です。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 145,500 | 161,300 | 84,400 |
路線価 | 116,000 | 129,000 | 68,000 | |
変動率 | -1.7% | -2.8% | -1.5% |
名東区は元々、のんびりとした田園風景が広がっていたエリアで、開発された今でも緑が多く残されています。区内のほとんどは新しくきれいな新興住宅地となっているため、若い世代のファミリー層から人気です。
また社宅や賃貸アパート、マンションなどが充実しているため、転勤族が多いことでも有名です。
毎年1万人を超える人が引っ越しており、今後も人口増加していくと思われます。
住宅地の地価は名古屋市の平均的な金額となっており、今年の下落幅も同程度となっています。目立つ商業施設はないため、商業地への影響は小さかったようです。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 202,600 | 254,000 | - |
路線価 | 163,000 | 203,000 | - | |
変動率 | -1.1% | -1.4% | - |
天白区は、1975年に昭和区から独立した、名古屋市内で最も新しい区です。
新興住宅地が広がっており、住むことに特化した自然の多い街並みが特徴です。まだ大規模な開発の途中であるため、地価はまだ安定していませんが、名東区と同様に若い世代に人気があるという点は、今後成長していくうえでの強みであり、期待できるでしょう。
例年は若干の上昇傾向にありましたが、新型コロナウイルスの影響によって全体的に下落しました。下落幅も名古屋市の平均を上回っており、似たエリアである名東区と比べると、商業地の下落が目立ちます。
区分 | 住宅地 | 商業地 | 工業地 | |
---|---|---|---|---|
平均価格 (円/㎡) | 公示価格 | 168,400 | 186,800 | 112,000 |
路線価 | 136,000 | 153,000 | 90,000 | |
変動率 | -1.7% | -2.7% | -1.4% |
【参考サイト】市区町村別平均価格・平均変動率一覧表(地価調査・地価公示) | 愛知県
名古屋市の2021年の公示価格と路線価は、都心部を中心に新型コロナウイルスの影響を大きく受け下落に転じました。
期待されていたリニア中央新幹線の2027年開業は、新型コロナウイルスの感染拡大により落ち込んだ運輸収入や、工事費増などから危うい状況になっており、この沿線の地価への影響もあると考えられます。
2年弱のコロナ禍は、地価にここまで影響しています。今年はこの程度の下落でしたが、この先の影響も、注視していく必要がありそうです。
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