東京都23区の公示価格と路線価【2021年(令和3年)】

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2021年1月1日を基準日とした公示価格と路線価が発表になりました。

公示価格は国土交通省が3月に、路線価は国税庁が7月に告示しています。

公示価格は、一般的な土地取引の公的指標として使われ、路線価は、相続税や贈与税の評価に利用されます。

この公示価格や路線価の動向や傾向を見ていくことにより、みなさんがお持ちの不動産の有効活用や、今後の相続対策に活かすことができます。

特に、今回はコロナ禍の影響も出ていますので、東京23区の公示価格および路線価の実態や傾向を追いながら、その特徴を見ていきます。

1.東京23区の公示価格と路線価の特徴について

東京都だけでなく、日本の経済活動や行政を担っているのが東京23区です。

東京23区の面積は627.57㎢で、住民基本台帳によると、2021年2月1日時点での人口は965万人です。

同時期の東京都全体の人口は1,396万人ですので、東京都のおよそ70%の人が23区に住んでいることになります。

各区では、地域によっては、1つの自治体以上の人口を有しています。

このような東京都23区の土地の公示価格や路線価には、どのような特徴があるのでしょうか?

まずここでは、東京23区の地価の特徴について、見ていきます。

1-1.東京都の公示価格は8年ぶりの下落

土地の公示価格は、国土交通省が毎年1月1日を評価時点として3月下旬に発表する指標で、一般的な土地取引の公的指標として扱われています。

一方で、路線価は、同じ1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、公示価格等を基にした価格(時価)の80%程度を目途に、国税庁が評価して公示されます。

相続税や贈与税の税額を算定する際に使用される不動産評価額は、この国税庁が発表している路線価を基準にして算出されます。

公示価格と路線価は、絶対額そのものは異なっていますが、両者は同じ傾向を示しています。

まず、国土交通省が発表した2021年の公示価格について見ていきます。

全国、三大都市圏、地方圏の概要

①全国平均

住宅地は平成28年以来5年ぶりに、商業地は平成26年以来7年ぶりに下落に転じています

②三大都市圏

住宅地は、東京圏が平成25年以来8年ぶりに、大阪圏が平成26年以来7年ぶりに、名古屋圏が平成24年以来9年ぶりに下落に転じています。

商業地は、東京圏、大阪圏、名古屋圏のいずれも、平成25年以来8年ぶりに下落に転じています。

2021年は、住宅地、商業地ともに、公示地価が三大都市圏で下落に転じた年となりました。

③ 地方圏

地方四市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、住宅地・商業地のいずれも、上昇を継続していますが、上昇率が縮小しました。

地方四市を除くその他の地域では、住宅地は平成31年以来2年ぶりに、商業地は平成30年以来3年ぶりに下落に転じています。

東京都の地域別傾向

ここでは、東京都の地域別の公示価格の変動率について、傾向を見てみます。

下記の表は、全国、及び、東京都の対前年平均変動率です。

対前年平均変動率(変動率:%)

 住宅地商業地
2020年2021年2020年2021年
全国平均全区域0.8-0.43.1-0.8
東京都全区域2.8-0.67.2-1.9
東京都

(地域別)

東京都区部4.6-0.58.5-2.1
多摩地域0.8-0.72.5-1.1

国土交通省が発表している2021年公示価格変動率について、全国平均と東京都の変動率を比較してみます。

住宅地については、2020年は、特に東京都区部の高騰(4.6%)が目立ったのですが、2021年については、一転して下落に転じており、東京都全域において、ほぼ全国平均と同等の下げ幅となっています。

商業地についても同様の傾向で、2020年は価格が高騰していた東京都区部(8.5%)においても、2021年は下落に転じており、逆に、全国平均より下落幅が大きくなっています。

東京都の区における傾向と比較

次に、東京都区部の区別の公示価格平均の傾向を見てみます。

下記表は、東京都区部の区別の住宅地・商業地平均価格、および、対前年変動率です。

東京都区部の「住宅地・商業地平均価格」「対前年変動率」(変動率:%)

都県及び市区名住宅地商業地住宅地 変動率商業地 変動率
2021年2021年2020年2021年2020年2021年
 平均価格

(単位:円/㎡)

平均価格

(単位:円/㎡)

変動率

(%)

変動率

(%)

変動率

(%)

変動率

(%)

都区部平均631,4003,103,6004.6-0.58.5-2.1
千代田区 2,762,900 6,586,9003.1-0.47.7-2.9
中央区1,289,200 9,373,2004-0.88.3-3.9
港区2,029,0005,111,5006.20.310.1-1.1
新宿区799,6004,846,7006.9-0.58.1-3.1
文京区993,4001,496,2007.3-0.78.5-2.0
台東区912,7001,564,5006.8-0.514.9-4.0
墨田区436,700 819,9005.5-0.69.1-1.5
江東区478,600893,9005.7-0.59.8-1.6
品川区844,7001,681,5005.9-0.67.2-1.6
目黒区954,6001,813,6004.10.36.6-0.6
大田区526,400895,7003.4-0.45.8-1.0
世田谷区633,8001,018,0003.5-0.57.6-1.0
渋谷区1,306,0007,087,9006.1-0.58.9-2.9
中野区595,6001,210,9004.3-0.38.5-0.5
杉並区538,500973,1003.8-0.78.6-1.7
豊島区629,3002,178,0007.5-0.69.9-2.1
北区527,500966,7007.1-0.710.4-2.2
荒川区505,300869,8008.8-0.710.1-2.0
板橋区429,600705,9005.1-0.87.2-1.7
練馬区391,000749,5003-0.94.9-1.5
足立区314,100593,8005.1-0.26.5-0.5
葛飾区321,300511,9002.6-0.45-1.5
江戸川区361,400636,8004.1-0.55.4-1.6

住宅地については、港区と目黒区を除くその他の区において、公示価格が下がっています

商業地については、全ての区において、公示価格が下がっており、特に、中央区や千代田区などの公示価格が高い地域、および繁華街や観光地での下落が目立ちます。

また、住宅地と商業地を比べると、比較的、商業地の公示価格の下落が大きいのが読み取れます。

昨年の公示価格は2020年1月1日が評価時点のため、日本国内でコロナウイルスが確認されたのが2020年1月であることを考えると、昨年の公示価格にはコロナ禍の影響はほとんど含まれていません。

そのため、昨年までの土地価格の上昇は、コロナ禍以前のインバウンド効果(訪日外国人客の増加)による需要上昇、都市開発などによる影響で不動産売買が活発化した結果が関係していたと考えられています。

一方で、2021年においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞、将来的な雇用・所得に対する不透明感、および、入国制限や外出自粛に伴う国内外の来訪者減少等による店舗の収益性低下やホテル需要の減退などから、需要が低迷したのが影響していると思われます。

今後もコロナ禍が収束しない限りはこの下落傾向は続くものと考えられますが、ワクチンの普及などによりコロナ禍が収束の方向に向かいそうですので、コロナ禍が収まり不動産の需要が好転してくれば、回復傾向に向かうと予想されます。

1-2.東京都の路線価も8年ぶりの下落

相続税や贈与税の税額を算定する際に使用される不動産評価額は路線価が基準値となっており、国税庁が発表しています。

令和3年の「標準宅地の対前年度変動率」の「全国平均」と「東京都平均」は次のようになります。

 2019年2020年2021年
全国平均1.3%1.6%-0.5%
東京都平均4.9%5.0%-1.1%

東京都の路線価も、ここ数年にわたり上昇を続けていましたが、2021年は下落に転じました

昨年までの東京都の路線価は、全国平均に比べて高い上昇率を示していましたが、2021年は、逆に、全国平均と比較すると、大きな下落となっています。

公示価格のところで見てきましたが、路線価の下落にもコロナ禍の影響が大きく出ていると考えられます。

路線価は、相続税額にも影響を与えます。そこで、各「区」の文末には、該当区の相続税に強い税理士事務所を検索できるボタンを配置しています。併せてご活用ください

2.東京23区の地域事情と地価について(居住地)

ここでは、東京23区の各区の地価の特徴を、特に住居地についてに見ていきます。前記の表をご参照いただきながらお読みください。

東京23区の住宅地の平均公示価格は、631,400円/㎡です。

区ごとに見ますと、100万円以上は、千代田区、中央区、港区、渋谷区の4区です。

逆に、40万円以下は、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区の4区です。

東京23区全域の変動率は-0.5%となり、8年ぶりにマイナスとなりました。

港区と目黒区の2区で変動率がプラス、その他の21区ではマイナスとなっています

変動率がプラスとなったのは、0.3%の港区(前年6.2%)及び目黒区(同4.1%)の2区だけです。

変動率が最も低かったのは、-0.9%の練馬区(前年3.0%)で、-0.8%の中央区(同4.0%)及び板橋区(同5.1%)がこれに続いて低くなっています。

地域によってさまざまな機能や利便性を発揮するからこそ土地の活用法が異なり、変動率がマイナスで地価が下がっているとはいえ、全国トップの地価を誇る東京都です。

主要地域である23区それぞれの地域の特徴や地価を一つずつ解説していきますので、それぞれの地域事情をしっかりと把握していきましょう。

2-1.千代田区

永田町や霞ヶ関を中心にさまざまな首都機能が集積しており、日本の政治、行政、司法の中心地です。

また、丸の内や大手町といったオフィス街には国内の主要企業が集まっており、経済においても重要な地域です。

千代田区はビジネスや行政などの中心地なのですが、一方で住宅地としても人気の地域です。

千代田区の住宅地価平均は2,762,900円/㎡で、23区内で一番高い価格となっています。

変動率は、2020年は3.1%の上昇を見せていましたが、2021年は-0.4%の下落となっています。

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2-2.中央区

日本橋・銀座など商業の中心地として発展しており、東京の重要な商業地です。大型商業施設やショッピングビルなどが多く建設されています。

また、商業地であると同時に、東京でも有数のオフィス街でもあります。

さらに、駅周辺や商業地帯の中には高層マンションも建設されており、生活拠点としても利便性が高い地域です。

中央区の住宅地価平均は1,289,200円/㎡で、23区内で4番目に高い価格となっています。

変動率は、2020年は4%の上昇を見せていましたが、2021年は一転して、-0.8%という大幅な下落となっています。

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2-3.港区

新聞社や放送局などのマスコミやIT企業、および、駐日大使館や外資系企業の日本支店が多数立地しており、日本政治や経済の中心の一端を担っています。

虎ノ門や新橋、芝、港南などはオフィス街、青山、赤坂、六本木、お台場などは商業エリア、麻布や白金台などは高級住宅街、といったように様々な表情を持ちます。

また、東京都23区では、一人当たりの所得が一番高い区と言われています。

港区の住宅地価平均は2,029,000円/㎡で、23区内で2番目に高い価格となっています。

変動率は、2020年は6.2%の上昇を見せていましたが、2021年は0.3%の上昇にとどまっています。

コロナ禍で、ほとんどの区が変動率マイナスに転じていることを考えれば、0.3%とはいえプラスを維持している港区は、人気が高く需要が顕著であるといえます。

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2-4.新宿区

東京都庁が建設されており、都の行政の中心地です。

ファッションショップなどが多く、歌舞伎町という日本でも有数の繁華街があることから若者も多く集まる商業地でもあります。

新宿区の住宅地価平均は799,600円/㎡です。

変動率は、2020年は6.9%の上昇を見せていましたが、2021年は-0.5%とマイナスに転じています。

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2-5.文京区

東京都の中で商業施設やオフィスビルなどが少なく、大学が多い文教地区と住宅地が多くを占ます。

歴史ある日本庭園が今でも残っていることから、全体的に落ち着いた閑静な住宅街といった特徴の地域です。

文京区の住宅地価平均は993,400円/㎡です。

文京区は住宅地として地域の大半が利用されているため、比較的地価は高く、住宅地価は23区内で5番目に高くなっています。

変動率は、2020年は7.3%と23区内で3番目に高い変動率を見せていましたが、2021年は一転して-0.7%とマイナスに転じています。

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2-6.台東区

全般的に商業地であるため、純粋な住宅地は一部で供給量も少なく、住宅街の規模はあまり広くありません。

戸建も一部地域を除くと少なく、オフィスビルやマンションなど土地の高度利用が進んでいます。

また、浅草や上野など長い歴史と文化が残っており、近年は外国人旅行客からも人気の高い地域です。

台東区の住宅地価平均は912,700円です。

台東区は観光やビジネスなど、さまざまな目的で多くの人が集まります。そのため、駅周辺を中心として地価が高額になりやすくなっています。

変動率は、2020年は6.8%という高い上昇を見せていましたが、2021年は-0.5%とマイナスに転じています。

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2-7.墨田区

東京スカイツリーや両国国技館、錦糸町などさまざまな魅力が集中しています。

日本を代表する観光地であるため、観光客向けの飲食店などが多く建設されています。特に、ここ数年の外国人旅行客の増加によって、1年を通して非常に多くの人で賑わっています。

観光と防災都市のシンボルにし、世界一の観光都市を目指していると言われています。

墨田区の住宅地価平均は436,700円となっています。

変動率は、2020年は5.5%でしたが、2021年は-0.6%とマイナスに転じています。

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2-8.江東区

東京湾に面しており、東京ビッグサイト(東京国際展示場)のある江東区です。

区の内部は、住宅街や工業地域として利用されて来ました。

また、区の臨海部には副都心や大規模なマンション、医療・福祉施設の建設が続々と行われており、急激な人口増加が起きています。

江東区の地価平均は478,600円/㎡です。

2020年は5.7%上昇しましたが、2021年は-0.5%とマイナスとなっています。

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2-9.品川区

さまざまな企業の本社が在籍するだけでなく、複合商業施設も数多く建設されており、ビジネス地や商業地として大きく発展している地域です。

さらに、駅から離れると住宅街が形成されており、品川区だけでいくつもの役割を果たしています。

品川区の地価平均は844,700万円となっています。

2020年は5.9%上昇しましたが、2021年は-0.6%とマイナスとなっています。

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2-10.目黒区

多くの企業の本社が集まるビジネス地でもあるのですが、住宅地として大きく発展しています。

さらに、大学のキャンパスがいくつかあることから、昼夜人口の差にあまり差がなく、ビジネス地と住宅地、2つの特徴がしっかりと融合している地域です。

もともと人気の地域だった目黒区ですが2000年ごろから始まった再開発により利便性や居住性がアップしました。

目黒区の地価平均は954,600円です。

2020年は4.1%上昇しましたが、2021年は0.3%の上昇にとどまっています。

コロナ禍で、ほとんどの区の地価が下落していることを考えると、その中でもプラスを保っているということは、目黒区には根強く顕著な需要があることがうかがえます。

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2-11.大田区

23区の中で最も都心から離れている大田区です。

区の東部には羽田空港が建設されており、東京都の空の玄関口として機能しています。

ここ数年人口が増加傾向にあり、特に世帯数は急増しているため、単身世帯よりもファミリー世帯からの人気が急上昇している地域です。

大田区は全域が市街地として整備されており、駅周辺ばビジネス地、商業地として活用され、その他の地域では住宅地として利用されています。

この土地活用のバランスや、都心部から離れていても手軽に移動できる交通の利便性の高さが、ファミリー層を中心とした人気となり需要や地価の上昇に繋がっていると考えられます。

大田区の住宅地価平均は526,400円/㎡となっています。

2020年は3.4%上昇しましたが、2021年は-0.4%とマイナスとなっています。

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2-12.世田谷区

90万人以上の人口を抱えており、東京都で最も多い人口を有している世田谷区です。

区のほとんどが住宅地として利用されており、都心部へのアクセスも簡単なことから、ベッドタウンとしての機能が強く現在でも人口は増加傾向にあります。

世田谷区は全国的に高級住宅街として知られていますが、多くの大学が建設されていることから、学生などの若者世代も多く暮らしています。

そのため、一軒家だけでなくマンションやアパートなどの需要が高く、高所得者と若者の二極化が現れている地域であるとも考えられます。

世田谷区の住宅地価平均は633,800円/㎡となっています。

2020年は3.5%上昇していましたが、2021年は-0.5%とマイナスとなっています。

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2-13.渋谷区

若者が多く集まり、ファッションや流行の最先端の街であるのが渋谷区です。

渋谷の他にも恵比寿や原宿、表参道など若者をターゲットにした新しい商店が多く集まっています。

常に新しいお店が増える一方で多くのお店がなくなっており、商業の点から見ると長期間の経営が難しい激戦区になっています。

渋谷区は商業施設の他にもオフィスビルが立ち並ぶビジネス地という側面がありますが、実は住宅地も存在しています。

ただ、繁華街の地価の影響を受けているため、住宅地であっても地価は非常に高額で、住宅街のある代々木上原などは高級住宅地として知られています。

渋谷区の住宅地価平均は1,306,000円/㎡で、23区内で3番目に高い価格となっています。

2020年は6.1%上昇しましたが、2021年は-0.5%とマイナスとなっています。

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2-14.中野区

サブカルチャーの街として幅広い層から人気を集めている中野区です。

渋谷区や新宿区といった都市部と隣接しており、各地域への交通機関も整備されていることから、非常に利便性の高い街となっています。

そのため、ビジネスにも生活拠点にも、どんな用途でも利用しやすい環境が揃っている人気地域です。

中野区は立地の良さを活かした商業地と住宅地が融合した地域となっており、それぞれの人気が区全体の地価にも影響を与えています。

中野区の住宅地価平均は595,600円/㎡です。

2020年は4.3%上昇しましたが、2021年は-0.3%とマイナスとなっています。

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2-15.杉並区

杉並区は豊かな自然を有しており、住宅地として発展を続けてきました。

そのため、商業施設などは少なく、区の大半が住宅地として利用されており、閑静な住宅街が広く形成されています。

杉並区の地価は住宅地としては高額で、その要因となっているのが中野区や渋谷区といった都心部と隣接していることです。

つまり、杉並区はベッドタウンとしての側面が強く、その利便性・機能性の高さから人気があります。

杉並区の住宅地価平均は538,500円/㎡です。

2020年は3.8%上昇しましたが、2021年は-0.7%とマイナスとなっています。

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2-16.豊島区

池袋駅を中心とした副都心が形成されている豊島区です。

区内にはサンシャインシティなどの超高ビルがいくつも建設されており、ビジネス街として発展してきました。

そして、今後もこうした高層ビルの建設が予定されており、ますます多くの人で賑わうことが予想されます。

豊島区にはビル群を要するビジネス街が形成されていますが、新宿などの都市分に近いことから住宅地としても需要が高まっています。

特に目白などは高級住宅街としても有名で、ビジネス地、住宅地、両方の人気の高さが地価の上昇に繋がっています。

豊島区の住宅地価平均は629,300円/㎡です。

2020年は7.5%と23区内で2番目に高い変動率でしたが、2021年は一転して-0.6%とマイナスとなっています。

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2-17.北区

工業が盛んに行われており、特に印刷や出版企業、食品関係の工場などが多い北区です。

加えて、街のほとんどは住宅地として利用されており、工場の周辺などを中心に団地も多く建設されています。

北区は工業が主の産業ですが、都心部に近いことから駅周辺には商業施設やオフィスビルが建設され、市街地として発展しています。

また、この特徴がベッドタウンとしての機能を高めており、こうした要因から人口が増加傾向にあり地価の上昇にも影響していると考えられます。

北区の住宅地価平均は527,500円/㎡です。

2020年は7.1%と23区内で4番目に高い変動率でしたが、2021年は一転して-0.7%とマイナスとなっています。

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2-18.荒川区

繊維の街として発展し、現在でも服飾関係の製品を取り扱う商店が多い荒川区です。

ただ、産業として繊維業を扱う工場などが多い、というわけではなく区の大半は住宅地として活用されています。

服飾関係の街ではあるものの、懐かしい風景が残る住宅地として人気を集めています。

日暮里駅などの周辺には商業施設などが建設されていますが、そこまで多いわけではありません。

しかし、昼夜の人口の変動が比較的少ないことから、他の区よりも自営業者が多いといえるでしょう。

また、都心部に近いだけでなく利便性が高いため、その影響が公示価格の大幅な上昇にも繋がっているのです。

荒川区の住宅地価平均は505,300円/㎡です。

2020年は、23区内で一番高い変動率8.8%を記録しましたが、2021年は一転して-0.7%とマイナスとなっています。

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2-19.板橋区

製造業が盛んに行われており、町工場などが多くものづくりの街である板橋区です。

作られている製品は食品やインク、楽器など多岐に渡り、こうした製品を販売する小売業も重要な区の産業を担っています。

板橋区は工場が多く、その周辺には工業団地が形成されるなど、区の大半が住宅地として活用されています。

さらに、板橋区は都心部にも近く通勤・通学に適した地域です。そのため、区の内部だけで生活が完結できるだけでなく、ベッドタウンとしての機能が加わることが板橋区の地価の上昇に繋がっているの考えられます。

板橋区の住宅地価平均は429,600円/㎡です。

2020年は5.1%上昇しましたが、2021年は-0.8%と大幅なマイナスとなっています。

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2-20.練馬区

23区の中で最も新しく誕生したのが練馬区です。

区内には緑の多い閑静な住宅街が形成されており、世田谷区に次いで23区内で2番目に人口が多い区です。

近年新しい鉄道が開通したことなどを受け人口が急増しており、マンションの建設ラッシュが起こっています。

東京都では珍しく農業が現在でも盛んでキャベツや大根などが出荷されています。

また、古くから住宅街が形成されていたことから高齢者が多く生活しているのも特徴で、他の地域よりも相続が起こりやすいため十分な対策が必要です。

練馬区の住宅地価平均は391,000円/㎡です。

2020年は3%上昇しましたが、2021年は-0.9%と大幅に下落しています。

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2-21.足立区

隅田川と荒川に挟まれた特徴的な立地の足立区です。

街道の宿場町であった千住宿には、時代とともに発展を続け、現在では区の中心駅である北千住駅が建設されました。

北千住駅は複数の路線が乗り入れるターミナル駅としても機能しており、駅周辺には区内で最も賑わう繁華街が形成されています。

足立区は再開発が行われたことで住みやすさが向上し、現在も増加した人口に対応するべく、マンションの建設が急ピッチで進められています。

足立区の住宅地価平均は314,100円/㎡です。

2020年は5.1%上昇しましたが、2021年は-0.2%と小幅ながら下落しています。

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2-22.葛飾区

下町や人情の街というイメージが非常に強く現れている葛飾区です。

実は、都心部へ乗り換え無しで移動が可能という利便性の良さから都内でも有数のベッドタウンとして人気を集めています。

区内には昔ながらの住宅街だけでなく、新しい住宅街も形成されており、多くの人の生活を支える街となっています。

ベッドタウンとして機能している他の区よりも地価は低いのですが、この地価の安さが魅力にもなっており、主にファミリー層を中心としたニーズを生み出しています。

都心部に近いにもかかわらず、費用を抑えて住宅を購入できる、というメリットが葛飾区に人気が集まる要因になっているのです。

葛飾区の住宅地価平均は321,300円/㎡です。

2020年は2.6%上昇しましたが、2021年は-0.4%下落しています。

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2-23.江戸川区

千葉県と隣接しており、外国人も多く生活している江戸川区です。

小松菜の発祥地としても知られており、小松菜を使用した郷土料理が区の名物にもなっています。

区内は主に住宅地として利用されており、区民一人あたりの公園面積が23区内で最も広く、緑豊かな住宅街が形成されています。

江戸川区は高齢者が多いのですが、若い世代やファミリー層からの人気が高く、移住者が増え続けています、今後も親子で住みやすい住宅街として需要を伸ばしていくと考えられます。

江戸川区の住宅地価平均は361,400円/㎡です。

2020年は4.1%上昇しましたが、2021年は-0.5%下落しています。

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3.最後に

今回発表された2021年の公示価格や路線価は、2021年1月1日が評価基準日です。

東京23区は、全国平均や他の道府県と比べて地価が高く、昨年までは、高い変動率を示しており、土地の価格は順調に上昇を続けていました。

しかし、このコロナ禍で状況は一変して、公示価格・路線価が下落しています。

2021年の下落においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞、将来的な雇用・所得に対する不透明感、および、入国制限や外出自粛に伴う国内外の来訪者減少等による店舗の収益性低下やホテル需要の減退などから、需要が低迷したのが影響していると思われます。

路線価については、国税庁が今後の地価の推移によっては、コロナ禍の影響も含めて、路線価の減額修正を導入する可能性もあります。

中長期的には、ワクチンの普及などによりコロナ禍が収束の方向に向かいそうですが、コロナ禍が収まり、不動産の需要が好転してくれば、回復傾向に向かうと予想されます。

どちらにしても、国税庁や国土交通省からの発表に目が離せません。

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