越谷市の相続税事情
埼玉県の南東部に位置する越谷市は、越谷税務署の管轄となっています。越谷税務署エリアには、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町の5つの市町が含まれており、この合計の相続税データが公開されています(以下、令和元年度データ)。
越谷エリアの相続税の申告件数は634件、実際に課税されたのは491件です。相続1件あたりの納付税額は約1,518万円、課税割合は8.49%です。
埼玉県全体の平均データでは、1件あたり納付税額が約1,732万円、課税割合が10.12%ですので、越谷エリアの相続は平均をやや下回るデータとなっています。
ただ、1件あたり納付税額、課税割合とともに平均を下回っていますが、安心できるものではありません。油断しやすい地域だからこそ、事前に対策を講じなければ思わぬところで、高額な相続税が発生してしまう可能性もあります。
越谷市の地価事情
埼玉県の南東部に位置し、千葉県や東京都との県境が近い越谷市。埼玉県の県庁所在地であるさいたま市と隣接しており、県内4位の人口を誇る都市でもあります。これは、立地条件の良さと鉄道の開通がきっかけとなり、越谷市が東京都のベッドタウンとして急激な開発が進んだからだといわれています。
さらに、東京都の鉄道ラインに加えて、浦和方面へのラインが開業したことにより埼玉県の各地へのアクセスが可能となりました。その結果、越谷市の知名度が広まることになり、より人気を集める地域となったそうです。
越谷市の地価平均は約15万円、最も高額な地域が約20万円の南越谷です。このエリアの中心駅である南越谷駅は、2016年度には平均約7万4,000人が1日に乗車しており、県内でもトップクラスの利用度を誇ります。
特に、越谷市には新興都市部であるレイクタウンが人気と注目を集めており、南越谷駅はレイクタウン駅の次に位置する場所です。このように、もともと市内でも中心的な場所が、新たな魅力を得たことでより発展したことで、より地価が上昇しているのだと考えられます。
越谷エリアの所得
地価と並んで相続税額に関係するポイントが所得です。所得が高額なほど相続遺産が増え、所得税が高額となります。
自治体名 | 納税義務者数 | 課税対象所得 | 1人あたりの所得 |
---|---|---|---|
越谷市 | 約15万7,000人 | 約5,200億円 | 約330万円 |
八潮市 | 約4万2,000人 | 約1,300億円 | 約310万円 |
三郷市 | 約6万4,000人 | 約2,000億円 | 約310万円 |
吉川市 | 約3万2,000人 | 約1,060億円 | 約330万円 |
越谷エリアの各所得を比べてみると、越谷市と吉川市が一つ抜けており、ついで八潮市と三郷市が続いています。吉川市は他の地域よりも地価が低いにも関わらず、所得は高いです。
越谷エリアの税理士事情
地価が安定しやすく、高所得者が集まりやすい越谷エリア。相続税が高額になりやすいポイントを抑えているこの地域は、地価の上昇もあり今後高額な相続税が課される可能性が非常に高いです。そこで、相続税対策に欠かせない税理士の在籍状況を確かめていきましょう。
自治体名 | 在籍税理士数 |
---|---|
越谷市 | 160名 |
八潮市 | 18名 |
三郷市 | 39名 |
吉川市 | 23名 |
各市の在籍税理士数を比較してみると、越谷市を中心に集まっていることが分かります。そして、越谷エリア全体の在籍税理士数は240人、1年間の課税件数が457件です。つまり、偏りはあるものの、エリア全体ではそこまで不足していないことが分かります。
この税理士の偏りは、越谷市の交通網が発達しており、他の市から簡単にアクセスが可能なことが考えられます。特に、ベッドタウンとして機能があることから、東京都の税理士も対応可能な区域でもあるため、不足していませんが全体的に在籍税理士が少なくなっている可能性もあります。
ただし、越谷エリアの各地で地価の上昇が起きており、未だ都市開発も行われています。所得も高く人口も年々増加しているため、今後高額な相続税が発生する可能性が高い地域です。今のうちから力のある税理士を探しておき、少しでも納める税金を抑えられるよう準備を始めましょう。